「会社がなくなって、いろいろなものを失ったけれど…」。アラフォー男性が団地の"ひとり暮らし"で見つけた居場所

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「団地って、部屋を出た瞬間から、もう誰かの生活圏なんです。マンションだと共用部分は公共スペースに近い感じだけど、団地はもっと生活と地続き。児童公園があったり、この団地のように家庭菜園があったり。

人が遊べる余白があるから、外の空間もそれぞれの居場所にできる。廊下とか階段とか、敷地の通路とか。全部が誰かの暮らしの場で、用事がなくても人と会っちゃう構造なんです。

だからコミュニティづくりのお手伝いとしては、日常の暮らしの場から、つながりをつくることを意識しています。とはいえ、つながることに強制力なんてなくて、挨拶だけで終わる関係があったっていい。

大事なのはそこにコミュニティがあって、いつでも好きなときにアクセスできることじゃないでしょうか。そういう環境をつくり出すことが、僕の仕事です」

くまがいさん
くまがいさんは、自ら立ち上げた「ソーシャルロマンティック」の一事業として、団地のコミュニティビルディングをサポートしている(撮影:梅谷秀司)

暮らしの場をシェアしたり、困ったときは手を差し伸べ合ったりという古き団地の良さーー。そんな関係を、現代にアップデートしつつ再現することは、一朝一夕にはいかない。くまがいさんはその可能性に公私の境界をなくして、取り組んでいくという。

「41歳になるまで、ずっとコミュニティづくりを仕事にしてきて、うまくいったことも、深い挫折を味わったこともありました。その経験とノウハウをフル活用して、この場を盛り上げていくつもりです」

くまがいさんの部屋
生活と仕事が混在している、くまがいさんの部屋(撮影:梅谷秀司)

挫折を引き受け切った先にあったもの

くまがいさんは以前、コミュニティづくりを事業とする「はじまり商店街」という会社の共同代表を務めていた。イベントや場づくりを軸に、地域に人を集め、つなげる仕事は、順調に見える時期もあったという。

だが、2024年。親会社の方針転換で会社は吸収合併され、事実上なくなった。

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