「会社がなくなって、いろいろなものを失ったけれど…」。アラフォー男性が団地の"ひとり暮らし"で見つけた居場所

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この団地の築年数、家賃や平米数、住人の年齢構成や住居選択の傾向など、団地についての具体的なことを質問すると丁寧に答えてくれた。

「ここは築62年。僕の部屋は37.35㎡の1DKで家賃10万円です。周囲の同じぐらいの広さ・築年数の部屋の相場からすると少し家賃は高め。

その分、僕のようなコミュニティビルダーが伴走したり、部屋のDIYが可能だったり、家庭菜園やBBQスペースのような共有スペースが充実していたりします。住人構成は30代の若手の住人が中心で、そこに少人数ながら、50歳以上の方もいるという感じですね」

団地の家庭菜園
団地の家庭菜園(撮影:梅谷秀司)

団地というと家賃が手頃なイメージがあるが、「いろどりの杜」は同等の物件に対して安いというわけではないようだ。しかしほとんど空室はない。それだけこの団地が魅力的だということなのだろう。

コミュニティが育つまで少なくとも3年

「いろどりの杜」では、くまがいさんを中心にして企画した大小のイベントが、年間通して複数回、行われる。そういったユニークな交流事業も、住人を引き寄せる要因になっているのだろうか。

「コミュニティって、最初から“売り”になるものじゃないと思っているんです。住んでみて、暮らしてみて、そのなかで少しずつ輪郭が見えてくるものなので。

僕のこれまでの経験だと、人と人との関係性が自然に根づくまでには、どうしても時間がかかる。早くても3年くらいは必要だと思っています。この場所も、プロジェクトとしては5年目に入りますが、いまはようやく“醸成されてきたな”と感じられる段階です。

ただ、完成形をつくることを目標にするというより、住人と同じ時間軸で、コミュニティがどう立ち上がっていくのかを一緒に見ることを大事にしたいです」

団地のイベント
団地では年に数回、地域にも開放されたイベントが行われる(写真提供:いろどりの杜)

くまがいさんにとってコミュニティとは、イベントを行うことによって打ち立てられるものではなく、日々の関わりのなかから醸成されるものだ。

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