若者はなぜ「無敵」で「考察好き」なのか? 決してがんばらず、正解と報いを求める若い世代の実像とは

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金間 三宅さんのご著書では、考察と批評の違いが非常に印象的でした。若者の「報われたい」という思いが大きな軸で、事前に「こうすれば報われる」ということがわかっているもの以外、手を出さない。

こうした若者の「報われたい」という思いって、いったいどこから来るとお考えになりますか。

三宅 一番大きいのは、アルゴリズムによって選択肢が絶え間なく「おすすめ」され、それが当たり前になっている環境ではないかと思います。その中からより確実性の高いもの、失敗しないものを選ぶということがクセになっているのではないでしょうか。だからなおさら、自分で選んで失敗したときの時間のもったいなさのレベルが上がってしまう面もあると思います。

就活のエントリー数が激減しているわけ

金間 確かに、幼い頃からおすすめの本、おすすめの習い事、おすすめの学校と、「これが今の最適解だよ」といわれて育ちますよね。

今、そのあおりを一番受けているのが就職活動です。学生1人当たりのエントリー数が激減しています。少し前までは「最低でも30社エントリーせよ」なんて言われていたのですが、今は5社程度の学生も多いです。その5社のうち複数の内定を得るといった配分です。だから、とにかく数を集めなければならないビジネスモデルの就活サイト運営会社は非常に焦っていると思いますよ。

しかも今の学生たちを見ていると、エントリーする会社は、契約した就活エージェントのおすすめであることが多いです。たまに、学年や学部に関係なく、どのエージェントも一斉に同じ企業をおすすめしてくることがあります。人事の予算を増やしてキャンペーンを張っているなと僕などは感じるのですが、学生は何も疑わずにそこにエントリーする。「それでいいのか?」「大丈夫か?」と心配になります。

三宅 「おすすめ」は、あまり自覚できないところに難しさがありますね。自分自身を振り返ってみても、何かとの出会いって、自分で選んだのか、おすすめされたのか、選んだ後は忘れてしまっています。就活も同じで、入社後は、おすすめされた会社かどうか覚えていないのではないでしょうか。

だから、そこに対して「大丈夫か?」と立ち止まってみることのできる人は、プラットフォームの外側にいる第三者だけ。この構造はどこにでも当てはまるのではないかと思います。(後編に続く)

(構成:笹 幸恵)

金間 大介 金沢大学融合研究域教授、北海道医療大学客員教授

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かなま だいすけ / Daisuke Kanama

北海道生まれ。横浜国立大学大学院工学研究科物理情報工学専攻(博士(工学))、バージニア工科大学大学院、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、文部科学省科学技術・学術政策研究所、北海道情報大学准教授、東京農業大学准教授等を経て、2021年より現職。専門はイノベーション論、マーケティング論、モチベーション論など。若手人材や価値づくり人材の育成研究に精力を注ぐ。大手企業のほか、医療機関や社会福祉法人との連携も多数。主な著書に『先生、どうか皆の前でほめないで下さい――いい子症候群の若者たち』(東洋経済新報社)、『静かに退職する若者たち』(PHP研究所)、『ライバルはいるか?』(ダイヤモンド社)など。一般社団法人WE AT副代表理事、一般社団法人日本知財学会理事も務める。

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三宅 香帆 文芸評論家

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みやけ かほ / Kaho Miyake

1994年生まれ。高知県出身。京都大学大学院人間・環境学研究科博士前期課程修了。

2016年「京大院生の書店スタッフが「正直、これ読んだら人生狂っちゃうよね」と思う本ベスト20を選んでみた。 ≪リーディング・ハイ≫」がハイパーバズを起こし、2016年の年間総合はてなブックマーク数ランキングで第2位となる。

その卓越した選書センスと書評によって、本好きのSNSの間で大反響を呼んだ。『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社新書)、『「好き」を言語化する技術 推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない 』『12歳までに身につけたい 自分の「好き」をことばにできるノート』(いずれもディスカヴァー・トゥエンティワン)など著書多数。

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