「共通一次」なら10分で満点?実は過去最高に学力が高い「令和の受験生」が直面する"地獄"の正体

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共通テストは従来試験に比べて試験時間が若干延びてはいるものの分量の増加に比べれば微々たるものであり、包括的に見れば「共通テストは従来試験に比べて難易度が上昇している」ことに違いはありません。

45年前の共通一次試験なら余裕で満点を取れる

しかし、実のところ共通テストの平均点は(2022年を除けば)センター試験のそれとあまり変わりません。難易度が上昇したにもかかわらず平均点があまり変化していないのはなぜでしょうか。

これは、試験への対策が進んだ結果、受験業界全体の環境が煮詰まったことで「受験生のレベルが全体的に上昇しきったため」であると考えられます。

この40年間、受験業界と問題作成者の間で「問題の対策を行う→その対策が通用しない問題を作成する→新しい傾向の問題に対しての対策が行われる」という、いたちごっこが生じたことにより、受験生に負担が集中した結果の入試問題が現在の共通テストであると言えるでしょう。

実際、量と質ともに40年前の受験生と今の受験生では受験そのものに対する負担が大きく異なります。

直近の共通テストでは、新たな科目「情報」が増えただけでなく数学や国語の分量が増えたことによって総試験時間自体が延びています。

さらに、上述のとおり問題の難易度自体も上昇しています。例えば今年の受験生が1980年の共通一次試験の数学を解いたとすれば、ものの10、20分程度で満点を取ることができるでしょう。

元々は「思考力を問う」目的で始まった共通テストですが、実態としては「情報処理能力」が大事な試験内容になっており、数学の能力を測る試験としては目的がズレているように感じます。

文科省が公表する資料では「難問奇問を排除した良質な問題の確保」がなされていると表記がありますが、こと数学において、近年の共通テストは「毎年、目新しい問題を出すことにしている」と言われたほうが受験生は納得しやすいのではないでしょうか。

近年の試験問題は、受験生の努力に乗じて、どんどん高度化・複雑化しているようにも思えます。学生に対して、「義務教育や高校課程のうちに学んでおいてほしいこと」は多岐にわたって存在するわけですが、どれもこれも取り入れるのは現実的ではありません。

科目数や1科目あたりの強度などのどれかを軽量化し、学生への負担が大きくなりすぎない持続可能な教育のあり方を願うばかりです。

亀田 崚 東京大学大学院理学系研究科学生・日曜劇場『御上先生』教育監修

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かめだ りょう / Ryo Kameda

2000年生まれ。東京大学大学院理学系研究科物理学専攻所属。東大カルペ・ディエム所属。公立高校から一浪を経て東京大学理科一類に合格。その経験を活かし、全国の高校生や駿台予備学校お茶の水校3号館の浪人生に対して学習指導を行なっている。また、自身が大学で学んでいる物理や数学の面白さを伝えるため、メディア活動やボードゲームの開発を行なっている。日曜劇場『御上先生』教育監修。

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