《ミャンマー軍事クーデター後の惨状》拉致、銃殺、胴体切開による拷問─非道すぎる軍を前に市民が貫いた「非暴力」も無力に…日本の対応は
3月3日にマンダレーでデモに参加し、頭部を撃たれて即死した19歳の女性は、彼女が着ていたTシャツに書かれた『Everything will be OK(きっとすべてうまくいく)』という希望のメッセージとともに、一気に抵抗運動のアイコンとなった。
これに対し軍は、彼女の死を「軍の武器によるものではない」と主張。あろうことか、遺族の許可なく彼女の墓を掘り起こして遺体を持ち去ると、勝手に「検死」を行い、「遺体の頭部にあった銃弾は軍のものではない」と発表した。墓の周囲に散乱した、血のついたビニール手袋。死者を二度殺すような陵辱行為に、心が凍りつく。
一般宅への強制立ち入りや逮捕も、過激さを増している。夜間の逮捕が本格化した2月中頃は、警察が誰かを拘束しにくると、誰かが鍋を鳴らし、それを聞いた住民たちが人間の鎖を作って警察の行く手を阻んでいた。
でも今は、それすら「あの頃は平和だったね」と言いたくなる。今なら容赦なく殺されかねない。拘束するターゲットも見境なしだ。デモ参加者やCDM(市民的不服従運動)に参加した公務員だけでなく、逃げてきたデモ隊を匿った住民や、もはや何の理由も見つからない人まで、次々に連行されている。一人ひとりの生殺与奪の権を、警察や兵士が握っているのだ。
暴力行為、拷問の末に殺害…なぜここまでできるのか
拘束された人々は、激しい暴力行為に遭っているらしい。警察の尋問から解放されたという男性の背中は、赤く腫れ上がり、皮膚が剝けていた。別の女性は、ショックが強すぎたのか薬物を打たれたのか、ぼんやりと焦点の合わない目でブツブツと何か繰り返している。軍に逆らえばこうなるぞ、という見せしめなのだろう。次から次へと突きつけられる凄まじい不合理に、もはや怒るパワーも枯れそうだ。
それでも、警察に強制連行されたNLD(国民民主連盟)の議員が、拷問の末に殺害されて帰ってきた、その遺体の写真を見たときには、思わず唸り声が漏れた。顔は別人のように腫れ上がり、歯はすべて抜かれ、代わりに口に何か詰め込まれている。胴体には、胸から下半身へと続く切開創。雑に縫い合わされた腹部の中にあるべき臓器は抜かれていたという。狂っている。狂っているとしか言いようがない。



















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