転出超過4年連続の広島で、なぜ女性の「クリエイティブ支援」に注目が集まるのか? ジェンダーギャップと雇用課題に向き合う現場の試み

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一方、アドビの「まちの広作室」は、もともと、コロナ禍からの立ち上がり時期の22年7月に、東京都世田谷区の下北沢で、経営的には非常に疲弊した状態にあった商店街をクリエイティブの力で支援したいという試みから始まった。アドビが講師を派遣し、Adobe Expressを使ってポスターやメニュー、SNSコンテンツを作って商店街への来店を促進しようという取り組みだ。続いて、福島県大熊町、鹿児島県鹿児島市など、さまざまな地域で取り組みが続けられている。

25年8月には高田馬場・早稲田商店街でも実施。ここでは中国・ベトナムから来た外国人の方も多く、英語、中国語、ベトナム語など他言語対応も可能なAdobe Expressの強みが発揮されたという。

メインの講師を担当したのはイラストレーターの北沢直樹さん。アニメキャラクターなどをデフォルメしたイラストで人気、Adobe MAXで講演した経験も持つエキスパートだ。デジタルハリウッドSTUDIOのOBでもある。

北沢直樹
中心となって講義を行った、東京で活躍するイラストレーターの北沢直樹さん(筆者撮影)

無料で使い始められるAdobe Expressがとても便利

参加者はグループに分かれて、グループごとに「クライアント」が付く。それぞれ、地元広島の企業・団体で、コワーキングスペース、道の駅など、実際のイベントやセールを告知したい人たちで、それに基づいてコンテンツを作ることになる。

まずは、北沢さんからAdobe Expressの使い方の説明がある。Adobe Expressはあるていどまでは無料で使えるクリエイティブツールで、写真の加工、イラスト作成、デザインなどさまざまなクリエイティブを制作可能。特にデザイン未経験者向けに設計されていて、多くのテンプレートが用意されている。今回のような用途の場合、テンプレートを選んで写真やテキストを入れ替えるだけであるていどのクリエイティブが可能となっている。

さらに、無料で生成AIも利用可能で(無料版の場合、回数制限あり)、プロンプトベースでデザインが可能。従来、デザインツールといえば使い方に習熟するのに時間がかかって、それが大きな参入障壁となっていたものだが、生成AIを組み合わせることで自然言語で操作できるようになり多くの人が利用しやすくなった。

Adobe Express
Adobe Expressの生成AI機能。たとえば、「広島の川でSUPのボードの上に立って、パドルで水を漕いで水辺の景色を楽しむ人達」と書くと、このような画像が生成される(筆者撮影)
次ページ作った当人も驚くようなクリエイティブが生まれる
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