仕事・家族・お金……"心配が止まらない"のは性格でなく病気?【判定リスト付】日本人の推定約120万人が抱える「全般不安症」のサイン
最近では、不安の問題を抱え、医療機関を受診する人が増えている一方で、それでもなお、不安の症状があっても、受診していない人が多いこともわかっています。
「不安の病気」だと思っていない人、あるいは精神科、心療内科の受診にハードルの高さを感じ、適切な治療を受けられていない人が多いのです。
さまざまなことが過剰に不安になって、心配することをやめられない状態が6カ月以上続いて、日常生活に支障をきたすレベルにまで高まった人は、「全般不安症」という病名で診断されることがあります。
「全般」はありふれた、一般的という意味で、全般不安症とは、仕事、家庭、お金、健康、安全、人間関係、将来などなど、複数のいろいろな事柄について不安になってしまう病気です。
全般不安症は、歴史的には、不安に悩まされる病気「不安神経症」に含まれていました。不安神経症を初めて提唱したのは、1890年代後半から1930年代にかけて活躍したオーストリアの精神分析の創始者、ジークムント・フロイト博士です。
1980年以降は、「神経症」という病名はあいまいで科学的でないという理由で使われなくなり、代わって、不安障害、最近では「不安症」という病名になりました。
全般不安症は英語のGeneralized Anxiety Disorderの頭文字をとって「GAD」と略されます。
どこまでがよくある不安で、どこからが全般不安症?
ところで、一般的に人が不安を感じている状態と全般不安症は、いったいどう違うのでしょうか。ここでは、大きく3つの症状を紹介します。
例えば、「仕事の商談がうまくいかなかったらどうしよう」と感じているビジネスパーソンも、商談が終われば、たいてい不安な気持ちが解消します。一時的に強い不安を感じることは誰にでもあるものです。
一方、全般不安症の人は、不安な状態がずっと(全般的に)続きます。定義としては6カ月以上、「不安がある日数が不安のない日数を上回っている」=「ほとんど毎日のように不安が続いている」状態です。
全般不安症の人は、1つのものごとに限らず、いろいろなことに不安を感じます。
仕事の商談も、職場の人間関係も不安。子どもの成績や進学、親の介護、パートナーの浮気、自分や家族の健康、発がん性が疑われる食品添加物や、老後の家計、災害、事件、事故のリスク、将来の地球環境など、全方位的に不安を感じている状態です。
全般不安症の人は、不安によって「疲れやすい」「集中できない」「眠れない」「気持ちが落ち着かず、緊張している」「イライラと不機嫌でささいなことで怒りやすい」「筋肉の緊張」などの症状がみられ、上記6つのうち、3つ以上そろうことが診断基準になります。筋肉の緊張は、「肩こり」「頭痛」のような形で現れることもあります。


















無料会員登録はこちら
ログインはこちら