伊藤忠が業界トップへ、非資源の収益で明暗

資源価格の下落に、商社はどう立ち向かうか?

資源価格下落の影響が比較的小さかった伊藤忠商事。今期は業界首位に躍り出る(撮影:今井康一)

総合商社の首位がついに入れ替わりそうだ。

11月上旬に出そろった総合商社5社の2016年3月期上期決算で、伊藤忠商事は純利益が前年同期比40%増の2127億円と独走。通期見通しでも、三菱商事が期初計画の3600億円から3000億円に下方修正したため、3300億円を見込む伊藤忠はトップに立つ。

資源価格下落が業界を直撃

三菱商事は16年ぶりに首位の座から陥落し、伊藤忠は初めてのトップ。前期とは5社すべての順位が入れ替わる見通しだ。

明暗を分けたのは資源、非資源事業の基盤の差。2014年後半から半値以下に急落した原油をはじめ、鉄鉱石や石炭など、資源市況は中国経済の減速を受け、軒並み低迷している。特に、資源権益の量と質で同業を圧倒する三井物産と三菱商事は、価格変動による利益への影響が大きい。

豪州に世界最大の原料炭権益を擁する三菱商事は、市況悪化に対応するため金属部門のコスト削減を進めてきたが、償却負担が重く、今期は部門赤字に沈む見込みだ。

同社は2020年に資源事業の持ち分権益生産量を倍増させる長期戦略を打ち出していた。だが、新規投資の先送りや、既存案件の出資比率引き下げを検討し、収益構造の見直しを急ぐ。「聖域を設けずに、資源ポートフォリオを見直さなければならない」(三菱商事の小林健社長)。

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