日本の鉄鋼業は中国の乱造にこう立ち向かう 新日鉄住金社長が語る"覇権"維持の戦略
経営統合は順調に推移している
──経営統合から3年経ったが、現在の進捗は?
当初の計画より1年前倒しで、2015年3月に統合を完了できた。製鉄所組織や商社、物流などの関係会社の経営統合を行い、加工工程や高炉などの設備集約も順調に進んでいる。
財務指標では、統合2年目の2015年3月期で累計1400億円のコスト削減を達成し、売上高経常利益率も同年度の下期には9.7%を達成した。非常に順調な進捗だと評価している。
かつて(1970年に)旧富士製鉄と旧八幡製鉄が統合したときは、労働組合の統合に3年かかったが、今回は1カ月で一緒になった。前回は国内間の競争もあり、時間がかかった。今回はグローバルの競争に向けて、社員の意識を早期に一体化できたことが大きい。
──最近は「総合力世界ナンバーワン」というキャッチフレーズを掲げている。これは何を意味するのか。
"総合力"というところがミソ。いろいろな項目があるが、まずは時価総額。企業としてはこれが最重要だ。次に自動車用鋼板や電磁鋼板といった製品の技術力。そして、コスト競争力や海外におけるプレゼンスだ。
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