JFE、反転攻勢を懸けた「5%出資」の本気度 ベトナム高炉への少額出資は是か非か

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JFEが出資を決めた、ベトナム・ハティンの一貫製鉄所。東南アジアでの橋頭堡となるか

たかが5%、されど5%――。ここ数年、成長戦略が見えないと言われ続けてきた大手鉄鋼メーカー大手、JFEスチールがようやく重い腰を上げた。同社は7月30日、台湾の大手石油化学メーカー、台湾プラスチック(台プラ)がベトナムに建設中の一貫製鉄所プロジェクトに出資し、技術供与を行うと発表した。

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製鉄所はベトナム中部に位置する(提供:JFEスチール)

この一貫製鉄所は、鉄鉱石や原料炭から銑鉄(鋼材の素)を作る高炉2基のほか、コークス炉や製鋼設備、発電所、商品の出荷もできる港湾設備を備えた最新鋭の製鉄所だ。今秋以降、順次稼働が始まる。

上記のような第1期工事だけで、投資金額は105億ドル(約1.3兆円)に上る。粗鋼生産量は700万トンで、神戸製鋼所1社に匹敵する規模となる。 2020年までの第2期で合計の粗鋼生産量は2250万トンまで計画しているもようだ。

JFEは今後1カ月ほどかけて、正式契約を交わす方針。台プラの現地子会社FHS社へ比率にして5%、約270億円を出資し、薄板の生産技術や高炉の安定操業の支援を行う予定である。

長年の夢だった海外高炉建設

JFEは過去に、タイや中国、ブラジルなど、さまざまな新興国で自社の一貫製鉄所の設立を検討してきた。直近では、2012年にベトナムのダナン市近郊で台湾の鉄鋼メーカー・義聯集団と一貫製鉄所の検討を行っていた。

ただ、ゼロからすべての設備を建設した場合、費用は最低でも数千億円、多ければ1兆円にも達する。世界の鋼材市場が中国の“爆食”から一転、過剰供給に苦しむ中、投資回収は容易ではない。こうした状況から、これまでの計画は日の目を見ず、計画も昨年秋に断念していた。

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