日本の鉄鋼業は中国リスクに立ち向かえるか 市況総崩れで粗鋼生産量の下方修正が相次ぐ

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中国過剰生産の影響が本格的に日本にも影響を及ぼし始めた(写真:AP/アフロ)

「最大のリスク要因は中国の景気減速だ」――。10月23日、日本鉄鋼連盟の定例会見で、柿木厚司会長(JFEスチール社長)はそう言い放った。

わずか半年ほど前の今年4月、柿木会長は「2015年度の国内粗鋼生産量は前年度並み(約1.1億トン)を維持できるのではないか」と見通しを示していた。ところが、粗鋼生産量の見通しは下方修正が相次いでいる。

柿木会長は6月に1億0700万~1億0800万トン程度の見通しを示していたが、9月時点で「1億0700万トンには到達してほしい」と見通しを修正。さらに1カ月後の今回は「1億0600万トンくらいを期待したい」と、もう一段引き下げている。

中国産鋼材の蔓延で国際市況が崩壊

粗鋼生産量の見通しが月を追うごとに下振れしている背景には、中国の鉄鋼メーカーの輸出攻勢が予想以上だった点にある。

中国の粗鋼生産能力は11億トン以上と見られているが、実際の生産量は約8億トン程度にとどまる。さらに、景気減速で現地の需要は約7億トンと、2年連続で減少傾向にある。

そのため、中国は自国で消費しきれない鋼材を輸出に回す戦略を採っている。実際、9月の鋼材輸出量は1125万トンと、単月で過去最高を更新。2015年1~9月累計では8311万トン(前年同期比27%増)と、驚異的なペースで拡大している。

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