『BLEACH』も『亜人』も『十二大戦』も!名作「能力バトルもの」で読者が唸る瞬間の共通点は?

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こうした“能力の応用”や“拡大解釈”は単なるギミックではありません。むしろ、読者の思考の領域を広げる装置です。

読者は無意識のうちに、「その能力はこの範囲で使える」と枠を作っています。その枠を壊される瞬間こそが、「あ、そう来たか!」という知的快感を生むのです。エスパーものの面白さは、この“概念の裏切り”にあります。

そして、この裏切りを必然にするためには、前提となる“ルールの精密さ”が欠かせません。可能な領域と不可能な領域を明確にすることで、能力の応用が「ご都合主義」ではなく「論理的な必然」になります。

能力の面白さは、自由さと制約のバランスで決まります。ルールが厳密だからこそ、どう突破するかがドラマになるのです。

「ルール」と「裏切り」が読者の快感を生む

創作のためのエスパー・超能力図鑑
『創作のためのエスパー・超能力図鑑』(玄光社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

エスパーものの歴史を振り返ると、初期は“人智を超えた力”そのものが中心に描かれていました。しかし現代の作品では、「ルールの中で意外性をどう生むか」が重視されます。科学的リアリティが求められる一方で、大胆な発想のジャンプも欠かせません。

「回復魔法で時間を巻き戻す」「死体を操る者が自分を操る」「声で人を支配する」――いずれも、既存の概念を一歩踏み越えた表現です。

読者を驚かせるエスパー能力とは、常識の裏側に潜む“もしも”を形にすることです。その一歩先を見せてくれる物語こそ、空想を現実のように感じさせ、私たちをもう一度「信じたくなる世界」へ連れていってくれるのではないでしょうか。

西岡 壱誠 ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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