【キーマンズ・インタビュー】業界トップ企業の人材戦略とは?--吉澤和弘・NTTドコモ取締役執行役員 人事部長に聞く
入社からのキャリアを整理すると、半年間のドコモショップ研修、3年間の支店勤務、3年間の本社勤務ということになる。この人材育成プログラムが終わってから、再度支店に勤務し、支店の戦略策定、実行を担う。
--女性の活用についてはどうですか?
現在の既存社員の女性比率は20%弱だ。採用では女性比率を30%にする目標を立てている。実際の女性比率は2011年採用で28%、2012年採用で25%だった。 産休、育休などの女性支援制度は充実していると自負している。しっかりと産休、育休を取ることが定着している。3年間の育休後の復職率も95%程度と高い。復職してからも4~6時間の短時間勤務を選ぶことができる。
長期の育休を取得すると、昇給・昇格が遅れるとためらう女性がいるだろうが、その点にも配慮している。3年間のブランクがあっても、その女性のパフォーマンスが評価に値する高さなら、同期入社の社員とそれほど違わない時期に昇給、昇格させる制度になっている。
--グローバル展開とグローバル採用についてはどうですか?
NTTドコモが他国で事業を行うことは外資規制等もあり難しい。しかし、通信はグローバルな要素を持っており、国際ローミングが必要だ。すなわち海外キャリアとの良好な関係が必要であり、韓国、フィリピン、インドの海外キャリアには出資をしている。
グローバル採用については、5年前から日本の大学に来ている留学生を採用してきた。
外国人採用の累積数は90名ほどであり、最も多いのは中国籍の社員だ。年1回開かれる「中国交流会」は社内の中国人社員が参加するもので、本社の会議室に集まった本社勤務の社員と、中国の拠点にいる社員がテレビ会議で参加し、最新情報を持ち寄って盛り上がっている。