【キーマンズ・インタビュー】業界トップ企業の人材戦略とは?--吉澤和弘・NTTドコモ取締役執行役員 人事部長に聞く
まず「柔軟な思考力」が重要だ。そして周囲を巻き込んで仕事をする「巻き込み力」が必要だ。3つ目の能力は、「最後までやり遂げる力」だ。この3つの能力を持つ学生を採用したい。
2013年卒採用は、5月の連休明けの週に内々定出しがほぼ終わった。ドコモの採用数は約260名で、文理が半々の割合だ。
--新入社員からスタートする社員教育、キャリア形成について教えてください。
事務系の新人教育としては、まず2週間の導入研修を行った後に、全国のドコモショップに行き、半年間のOJT研修を受ける。ご存じのように携帯電話のサービスは多様であり、料金体系も複雑だ。店頭に並ぶ機種も多い。これらの知識を一気に学習するのはむずかしい。最初はお客さまからの質問に戸惑っていた新入社員も、半年のOJTで知識を深める。
半年のOJTが終了すると、ドコモショップを管轄する支店に移る。支店で営業としての経験を積む。ドコモショップの支援、販売促進もあるし、法人営業もある。
NTTドコモのサービスは携帯電話だけだと思っているかもしれないが、それは間違いであり、多彩な法人向けサービスがある。通信モジュールを取り付けることで、さまざまな機器のリモート管理が可能になる。
たとえば自販機の在庫・売上管理もあるし、在宅医療機器にもネットワーク機能がついている。タクシーの清算をクレジットカードでするサービスを利用した人もいると思うが、このサービスはドコモの回線によって認証する仕組みだ。
支店での3年間が終了すると、本社勤務になる。本社で業務遂行のスキルを磨く。そして本社勤務を3年間経験してようやく一人前になる。