「70代でもわたしは情熱的で官能的だった」…【88歳の女性作家】が振り返る、シニアの"性の適齢期"
おそらくイサベル・アジェンデのトークのタイトルはTEDの運営側がつけたものかもしれません。というのも、アジェンデほど賢明な人が、「ほとんど制御できない感情」だけに話を限定するわけはありません。80代を形容するときに、真っ先に思い浮かべるのがその程度の感情だなんてことはないでしょう。
それにしてもアジェンデの弁舌は見事です。この年齢になって得られた自由のこと、そして長年抱えてきた恨みや怒りをさらりと脱ぎ捨てる術(すべ)を語っています。
義憤に駆られて、自分をわざわざ不幸にする時間的余裕はもうありません。虚栄心や野心は捨てること。そして成果や実績を上げさえすれば人から賞賛され、そして心の空洞が埋まるなどといった誤った思い込みも振り払うのです。
アジェンデは、この年齢に宿る知恵について語っています。アジェンデは、心を開いて自分の脆さを受け入れるしなやかさを持ちなさいと呼びかけます。脆さは弱さではなく、むしろ強さの証しなのだと言うのです。
「今この瞬間を意識的に生きること(マインドフルネス)」という言葉も使っています。そしてすぐ身近に漂う死の気配についても触れています。死は自らの心の内側を見つめる機会を与えてくれるのだと。
でもアジェンデは「情熱」について一度も触れませんでした。つまり「性愛の情熱」についてです。
性欲は、わたしたちの人生を突き動かすエネルギー
わたしは、90代半ばの夫婦を知っています。ふたりは今も満ち足りた性生活を送っています。若い頃みたいな運動量の激しいものではないかもしれませんが、節度を保った愛の中に欲望は息づいています。
わたしたちは決して、性的な欲求を失いません。
わたしは敬愛する友人のドロシー・クラークが90代のときに、今でも性欲を感じることがあるかと尋ねたことがあります。
返ってきた答えに(まだ無知な若造だった)わたしは大変驚きました。


















無料会員登録はこちら
ログインはこちら