家族以外はどうでもいい?アジア人従業員の価値観とは

 

さらに男性を説得し始めたところ、女の子の隣にいた妻らしき人物が参戦してきました。「それだったら最初から席を移ってもいいじゃないのよ!!」。この奥さんがまたスゴかった。後ろの白人がずっと笑っています。結局、「3人家族対客室乗務員2人の勝負」。1分くらいは続いたと思いますが、インド人家族が勝ちました。「今回は申し訳ありません。ご協力感謝します」客室乗務員が私にお礼を言いに来ました。機内乗客の視線が集まる中、この家族は涼しい顔をしていました。

敗北感いっぱいの客室乗務員2人は苦笑を浮かべて、小声で何か話しながら目配せして定位置に戻り、その後無事飛行機は離陸していきました。

こちらとしては席を移動するくらいは何でもありません。ただ、彼らから私への謝意は、言葉も表情も一切ありません。眼中になし、と言う感じです。極端な事を言えば、家族がすべて、あとはどうでもいいのです。時にはルールをねじ曲げ、モラルにも反します。

--そういうことは、ありそうですね。自己主張が強い。

スマートではない家族でしたが、このような例はいくらでもあります。従業員が何の連絡もなく行方不明になってしばらくした後に、「実は家族が病気でした」と言って復職を願い出てきたりします。「家族がどうこう」というのはまた、いきなり辞める際の常套文句でもあります。取引先に「納期の遅れの理由」を聞いたら、家族ネタが出てきて驚くこともあります。

こうした日本人にとっては伝家の宝刀である「家族ネタ」は、現地の人々からは日常のように聞かされます。そして日本人担当者は頭を抱えてしまいます。

--家族に重きを置くということですね。

ですから、家族と離れての転勤命令などはかなり難しい話です。出稼ぎに近い感覚だと思います。特にインドネシアやインドなど複雑な多民族国家の場合は、家族帯同であっても地元を離れて文化や言葉の違う地域へ行くこと自体を嫌がります。

 

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