「負ければみんな離れていく」 選挙で"人の冷たさ"知った太宰府市長が7浪という長い回り道の末にたどり着いた意外な場所

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様々な出会いと刺激があり、この年は成績が伸びた楠田さん。判定はついにC~Aが出るようになり、東大が射程圏内に入りはじめました。一方で、この年は結果がどうなろうと合格したところに進む決意をしていました。

「この年はもう『受かったところに行くしかないよね』という感じでした。2年遅れじゃないと就職も厳しいと聞いていましたし、とにかく親にお金を使わせてしまっているので、2浪めでどこか受かったところに行かないといけないと思っていました」

この年のセンター試験は708/800点と、前年度から60点以上伸ばします。この年は私立大学の併願校として早稲田・慶應・上智や中央大を受験しました。

「初めて合格したのが中央大学だったのですが、受かった時はめちゃくちゃうれしかったですね。最初に中央に通るまでが本当に不安で、自分を取ってくれるところがあるのだろうかと思っていました。合格できるんだと思えたのはとても大きかったと思います。

でも、受かったところでいいのではなく、ここまで来たら東大に行きたいなと思えたので、最後まで受験勉強を頑張れたのだと思います。東大に通ったときはホッとしました。今思えば、もし東大に行けなかったら、それを引きずりながらの人生になっていたかもしれません。就活も上手くいかなかったし、選挙も東大出身だから当選できたわけではないですし、東大を出たことが社会で生きたかどうかはわかりませんが、行けないよりは行けたほうがよかったなとは思います。浪人生活は充実した日々でした」

こうして楠田さんは、ついに3度目の正直で、東京大学文科1類への合格を果たしました。

努力が結果につながったことが自信になった

2浪して東京大学の文科1類に合格した楠田さん。浪人して良かったことをお聞きすると、「まだ浪人時代の友達との付き合いが続いていること」、「自分でやる気を出してやることが、結果につながる自信を得たこと」、頑張れた理由については「自分の人生をよくしたいという思いと、親に喜んで欲しいという思いがあった」と答えてくれました。

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