「一生許すまじ!」…離婚で「泥沼化する夫婦」と「歩み寄れる夫婦」の決定的な差 

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しばはしさんの書籍『共同養育実践マニュアル』と『別れてもふたりで子育て』。りむすび公式サイト、noteや音声メディアvoicyでも多くの情報を発信している(写真:しばはしさん提供)

離婚に向かう夫婦と離婚後の家族をサポートするサービスは、その金額・内容・方針などが驚くほど多種多様です。

まず金額でいうと、行政が行う無料のものから、民間が行う有料のものまで。

時期でいうと、離婚前や離婚後など一時期をサポートするものから、すべての期間をサポートするものまで。

対象者でいうと、シングルマザーや別居親など対象者を絞ったものから、対象者が幅広いものまで。

内容でいうと、法律的な相談・夫婦関係の相談・モラハラやDVに関係する相談・別居後の親子交流をサポートするものなどがあります。

マンガにも登場した「ADR」とは?

まだ認知度が低いサポートとしては、今回のマンガでも紹介したADR(協議離婚サポート)も興味深いものです。ADRの正式名称はAlternative Dispute Resolution(裁判外紛争解決手続)。当事者だけで話し合うことが難しいけれど裁判所での話し合いは避けたい、という夫婦が専門家に仲裁に入ってもらいながら話し合いを進める方法です。ADRを行うのは法務省の認証機関(法務省の認証団体リスト)となります。

今回インタビューした「りむすび」は、民間の有料事業者で、離婚前から離婚後までトータルでサポートし、男女問わず幅広い当事者を対象に、共同養育に向けたカウンセリングや親子交流サポート、ADRも行っている支援団体です。離婚後から相談を開始する利用者さんもいるそうで、「初動が大事ではあるけど、関係改善に向けて動くのに手遅れということはない」と、しばはしさんは言います。

また、しばはしさんは「弁護士を入れたほうがいいケース」として「離婚したいけど相手が応じず話し合いが困難」「お互いが円満解決する気がなく条件でもめて折り合いがつかない」を例として挙げてくれました。

このように第三者に相談することも多い離婚問題ですが、その際に、どんな第三者を頼りにするかで、その後が大きく変わるのはマンガに描いたとおりです。どこかに頼るときには、「夫婦の対立をあおらず、家族の未来と幸せを考えてサポートしてくれる」という姿勢があるかどうかは大事な基準ではないかと私は感じました。

ちなみに、このシリーズを描くにあたり、私はいろいろな立場の当事者数十人にヒアリングもしています。その中には、離婚にいたるまでに、無料・有料の複数の団体に相談し、うまく使い分けている人が何人もいました。相性の合う支援者を見つけるのは難しいものですが、有料事業者でも無料セミナーを開催していたり、無料のメルマガを発行していたりするところもあります。まずそういったところから情報を得て、相性が合うところを探すのもひとつの手ではないでしょうか。

次回は、引き続き「りむすび」しばはしさんのインタビューです。共同養育が難しいのはどういうタイプなのかを具体的に伺いました。

この連載にはサブ・コミュニティ「バル・ハラユキ」があります。ハラユキさんと夫婦の問題について語り合ってみませんか? 詳細はこちらから。
ハラユキ イラストレーター、コミックエッセイスト

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はらゆき / Harayuki

雑誌、書籍、広告、Webなどの媒体で執筆しつつ、コミックエッセイの著書も出版。2017年から約2年間バルセロナに住んだことをきっかけに、海外取材もスタートさせる。著書に『女子が踊れば!』 (幻冬舎)、『王子と赤ちゃん』(講談社)、『オラ!スペイン旅ごはん』(イースト・プレス)、この連載を書籍化した『ほしいのはつかれない家族』(講談社)など。この連載のオンライン・コミュニティ「バル・ハラユキ」も主宰し「つかれない家族をつくる方法」を日々探求、発信中。ハラユキさんのHPはこちら

 

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