「都合のいい解釈ばかりしてない?」——"AIとの壁打ち"で確証バイアスを減らす新習慣。「今のままで十分幸せ」は認知のクセかも

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「せっかくリフォームしたし」は埋没コストです。一方、一戸建てに引っ越すことで得られるメリットもあります。たとえば「光がたっぷり入る広いリビング」「庭で犬を飼い、週末はBBQ」など、引っ越さなければ得られないポジティブアフェクトもあります。

本来は得られたはずのものを得られなくなることを「機会コスト」といいます。埋没コストよりも痛いのは、機会を失うことです。機会コストを考えれば、何かを途中であきらめることにも大きな意味があるはずです。

現状維持バイアス

自分にとって有利になる選択肢が提案されても、「このままでいい」と現状維持を望む傾向を指す。「金利のいい金融商品があるのに、定期預金に入れたまま」「携帯電話の料金プランが5年前のまま」などがその代表。

埋没コスト・機会コスト

埋没コストはSunkCost(沈んだ費用・労力)のことで、けっして戻らないお金や時間のこと。成果が出ていなくても、損失を取り戻すまでと、継続してしまう状態を「埋没コスト効果」という。機会コストは「現状維持バイアス」や「埋没コスト効果」のせいで、得られなかったチャンスや価値。埋没コストよりも、機会コストに目を向けるべき。

迷っていないときでもAIの意見を聞いてみる

私たちは幅広く情報を集めて決断しているつもりでも、実際には自分に都合のいい情報ばかりを集めてしまうことが少なくありません。それを「確証バイアス」といいます。これが思わぬ失敗を引き寄せたり、偏見を生んだりするので注意が必要です。

アメリカのミーティングでは、あえて反対の意見や情報を集めるために「悪魔の代弁者」と呼ばれる役回りを設けることがあります。反対者がいることで「本当にこれでいいのか」と振り返ることができるからです。

アメリカ人に比べると、日本人は反対意見があっても言わない人が多い気がします(無意識のうちにネガティブアフェクトを回避しているのかもしれません)。相手の正直な意見を求めているのに、質問者が望んでいる答えを探して答える人がとても多いと感じるのです。

背中を押してほしいときにはいいのだけれど、そうでなければ、どんどん進んでしまう、確証バイアスのスパイラルに歯止めがききません。

ですから、私はあえてチャットGPTと「壁打ち」のつもりでブレストします。ただ、AI特有の誤解や思い込みがあるので聞き方には注意します。「これいいよね?」という聞き方ではなく、「これについてのメリットとデメリットは?」と両方の情報を求めます。

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