「緊張しないのは不利?」 受験生の相談に東大合格者が語る、"いずれにせよ落ちる"人の行動パターン

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「緊張」という言葉は、後から使う“便利な逃げ道”にすぎないと思うんです。「緊張していたから実力を出せなかった」と言えば、自分の失敗を緊張のせいにできる。けれど、本当は緊張のせいではなく、自分の準備と実力が足りなかっただけです。「緊張して不合格になった」って言っている受験生は良くいますけど、僕はそれはただの言い訳でしかないと思っています。

緊張しない受験生は“言い訳”ができない

質問者さんは、緊張しないタイプだからこそ、この「逃げ道」がないんですよね。

緊張していない。だから、言い訳ができない。

不合格になったら、「緊張していなかったから」ではなく、「自分の努力が足りなかった」という結論にどうしても向き合わざるを得ない。

これ、実はかなりすごいことです。普通の受験生は、多少なりとも緊張に逃げる余地があるのに、質問者さんにはそれがない。言い訳の盾を持たずに真っ正面から勝負しようとしている。精神的な“防具ゼロ”で敵陣に突っ込むようなもので、これはかなり勇気がいることです。

だから僕は、質問者さんの悩みは欠点ではなく、むしろ強みだと思います。緊張しない分、冷静でいられるし、本番でも普段どおりのパフォーマンスを出しやすい。

そして何より、失敗しても緊張のせいにできない分、普段からの努力や準備に対する覚悟が強くなる。

「緊張しない=受験に弱い」ではなくて、むしろ逆で、緊張を言い訳にしない受験生は、強い。

だから、質問者さんがこれからやるべきことは、「緊張しようと努力する」ことではありません。そんな必要はまったくないですし、そもそも緊張は努力でコントロールできません。

やるべきことはただひとつ。

“普段どおり戦える自分を、普段から作っておくこと”

緊張しないなら、しない自分のままで準備すればいい。焦らないなら、焦らない自分のメンタルに合わせて作戦を練ればいい。

緊張しないというのは、弱点ではない。むしろ「言い訳がない」という意味で、その分強い。

そして、そういう人ほど最後に伸びる。僕は質問者さんのような受験生を、本当に尊敬しますし、心から応援したいと思います。緊張しないあなたは、むしろ強い。胸を張ってそのまま行ってください。

西岡壱誠氏
にしおか・いっせい/1996年生まれ。東京大学受験3年目に独自の勉強法を開発、成績を急上昇させ合格。2020年に教育系ベンチャーのカルペ・ディエムを設立。高校生に思考法・勉強法を教え、教師に指導法のコンサルティングを行う。著書に『東大読書』など多数(撮影:尾形文繁)
受験勉強や、子どもへの教育など、西岡壱誠さんへの質問を募集しています。こちらの応募フォームからご応募ください。
西岡 壱誠 ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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