「緊張しないのは不利?」 受験生の相談に東大合格者が語る、"いずれにせよ落ちる"人の行動パターン

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でも、ここでかなり重要なことを伝えたいんです。

実は、緊張するかどうかって、ほとんど受験の合否に関係ありません。「緊張した結果、普段通りの力を出すことができなかった」と言う受験生を見たことはよくありますけど、別に緊張したからって普段通りの力を出すことができないわけではないんです。

これは経験論ではなく、実際にデータにも出ています。我々の会社のアンケートで、多くの東大生に「受験本番、緊張しましたか?」という質問をしたことがあります。この答えは、綺麗に半々に分かれました。「めちゃくちゃ緊張した」という人もいれば、「いや、あんまり記憶にないですね」という人もいる。

そしてどちらも普通に受かっている。逆に不合格になった人も同様で、緊張した人も緊張していない人も、合格率は同じくらいです。緊張しないから不合格になるわけでもないし、緊張したから合格しやすいというわけでもないんです。

多くの東大生が口をそろえて言うのは、「緊張していたけど、問題が配られたら解くしかないから普通に解いた」ということです。緊張はしているけど、結局やることは、今まで過去問を解いてきたのと同じように、「目の前の問題を解く」しかないわけです。それが受験なんですよね。

だから、「緊張したから不合格になる」とか「緊張していないから真剣味が足りない」とか、そういうことはないのです。

緊張が原因で落ちるのはどういう人か

じゃあ、緊張が原因で落ちる人は、どういう人なのか?

それは、緊張した結果、「普段とは違うことをしてしまう人」です。僕自身、これを経験しました。僕は1浪のとき、数学の問題が思っていたより難しくて、「どうしよう、やばい」と焦りが一気に来たんです。

そのとき、「とにかく何か点を取らなきゃ」と思ってしまい、普段とは違う順番で問題を解き始めたんです。これが完全に失敗で、どんどん焦りが増して、結果としていつもなら取れていた点を落としました。

でもあの時の焦りは、緊張から来るものというよりも、普通に自分の戦略のミスだったと思うんですよね。後から、「焦っていたからあのミスをした」という言い訳も、「緊張していたから不合格になった」という言い訳もできるけど、なんとなく両方とも「言い訳」な気がします。

そう、「言い訳」。ぶっちゃけ「緊張」って、「言い訳」でしかないと思うんですよ。

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