「日本ニューギニア探検隊」のヤバすぎる道中 これ以上はありえない世界最悪の旅とは?

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探検隊はこの3人だ

探検隊は3人(早々に脱落した1人を除く)。藤原一孝隊長は数々の初登攀記録を持つなど、冒険スキルは一流。

一方で新宿高層ビルの外壁を素手で登って世間を騒がせたこともあり、火事ですべてを失ってこの探検に挑んだ、一癖も二癖もある人物だ。あとは峠さんと、大学生のユースケ隊員。

ペットボトルを溶接して作った尿瓶「Keikoスペシャル」

さあ、さわやかなセーリングの始まり……という期待は見事に裏切られ、出港するなり、本書『冒険歌手 珍・世界最悪の旅』は船酔いによるゲロとおしっこの記述にまみれ始める。(ちなみにこの2つは「通奏低音のように」本書の最後までつきまとうのである。)

さらには、やっと小笠原にたどり着きそう! というところで、まさかの海上保安庁に救助されるはめに。まだ本文が始まって10ページである。この本、366ページもあるのに、である。

そして七転八倒の末、1カ月半ほどでニューギニアにたどり着くのだが、「マンベラモ川を遡上しカルステンツ登攀」という計画が、現地の治安問題で迷走。誘拐される危険をおして、現地ガイドを雇い、一行はボートで川を遡上。ここでも「あの問題」が著者を悩ませる。

おしっこは下半身を川に突っ込む

おしっこも一苦労。私はスピードを緩めてもらって、ボートにしがみつきながら(川に)下半身を突っ込んでやっていた。この川にピラニアがいないのは幸いだった。

しかしその次のページで

突然、ワニ出現。

 

弓矢で襲われる。これ、写真撮ってる場合なのか?

ピラニアはいなくても、ワニはいるじゃん、ワニ、ワニ!! と読みながら心で絶叫。同じページで蚊の大群に襲撃され、2ページ進むと今度は丸木ボートに乗った現地人たちに弓矢で襲われて危機一髪。

ノンフィクションのはずなのに、1行先すらまったくよめない!ナンセンス・ギャグ漫画をはるかに超える衝撃の現実は続く。ジャングルで出会った、みぞおちに大きな傷のあるおじいちゃん。昔の戦で矢が刺さった痕だという。

その当時の戦では、逃げ遅れた者は敵に殺されて食べられた。ということは、彼らはいわゆる「人食い部族」!(中略)「人間のどこがおいしかったんですが」と聞くと「くちびるだ」との答え。歯ごたえはたまらなく、みんなで取り合いになったそうだ。
次ページ探検の興奮が生き生きと伝わってくるものの…
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