それと、言わずもがなのことではあるかもしれませんが、「冬こたつ」のもうひとつの難点は「動かなくなってしまうこと」です。
まあ、外は寒いし、こたつに入っていれば体ぬくぬくだし、「出たくない」「動きたくない」という気持ちになるのは分かります。しかし、何時間もそのままでいたら運動不足に陥るのは避けられません。それに、もし、こたつで食事をしたり間食をしたりしていたとすると、ほとんど「食べっぱなしで、動かない」という状態になっていることになりますよね。
これはよくありません。食べっぱなしで体を動かさない状態を続けていると、エネルギーが消費されず、余分な糖質が体内にあふれて食後高血糖になりやすくなります。食後高血糖になれば、血糖値が急上昇し、インスリンが大量分泌され、余分な糖質の中性脂肪への変換がどんどん進むことになります。こたつにあたったまま、食べっぱなしで動かないということは、これを1日に何度も繰り返しているようなものであり、脂肪肝や肥満が加速してしまうのは不可避だと言えるでしょう。
「食後のもも上げ」で脂肪肝の心配を解消
「じゃあ、どうしろっていうのか」「寒風吹きすさぶ中、外に出てウォーキングでもしろっていうのか」――そんな声も聞こえてきそうですね。でも、私もこたつが大好きですし、わざわざ外に出て運動しろとまでは言いません。ただ、ずっと動かずにいるのはよくない。そこで、こたつのある部屋の中で1分でできる効果的な運動を紹介しましょう。
それは「食後のもも上げ」です。やり方はじつにシンプルで、食後5~10分後にその場に立って太ももを高く上げたり下ろしたりするだけ。これを1分間も行うと、食後、上昇し始めた血糖値が頭打ちされたようにボーンと下がるのです。つまり、この「食後1分間もも上げ」を行えば、血糖値が急上昇することもなく、インスリンが大量分泌することもなく、もちろん中性脂肪が大量に生産されることもなく、脂肪肝や肥満を防げることになるわけです。
みなさんも実践してみてください。ここで紹介した間食や食後運動のノウハウを習慣にすれば、「こたつ脂肪肝問題」も「こたつ運動不足問題」も一気に解決することができるはず。ぜひ、この冬、まったりと過ごす至福の時間を「より健康的なもの」に変えていくようにしてはいかがでしょうか。
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