【専門医が警告】「冬のこたつミカン」が知らないうちに肝臓を壊している?→寒い時期の意外な盲点

✎ 1〜 ✎ 16 ✎ 17 ✎ 18 ✎ 19
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

それと、言わずもがなのことではあるかもしれませんが、「冬こたつ」のもうひとつの難点は「動かなくなってしまうこと」です。

まあ、外は寒いし、こたつに入っていれば体ぬくぬくだし、「出たくない」「動きたくない」という気持ちになるのは分かります。しかし、何時間もそのままでいたら運動不足に陥るのは避けられません。それに、もし、こたつで食事をしたり間食をしたりしていたとすると、ほとんど「食べっぱなしで、動かない」という状態になっていることになりますよね。

これはよくありません。食べっぱなしで体を動かさない状態を続けていると、エネルギーが消費されず、余分な糖質が体内にあふれて食後高血糖になりやすくなります。食後高血糖になれば、血糖値が急上昇し、インスリンが大量分泌され、余分な糖質の中性脂肪への変換がどんどん進むことになります。こたつにあたったまま、食べっぱなしで動かないということは、これを1日に何度も繰り返しているようなものであり、脂肪肝や肥満が加速してしまうのは不可避だと言えるでしょう。

「食後のもも上げ」で脂肪肝の心配を解消

「じゃあ、どうしろっていうのか」「寒風吹きすさぶ中、外に出てウォーキングでもしろっていうのか」――そんな声も聞こえてきそうですね。でも、私もこたつが大好きですし、わざわざ外に出て運動しろとまでは言いません。ただ、ずっと動かずにいるのはよくない。そこで、こたつのある部屋の中で1分でできる効果的な運動を紹介しましょう。

それは「食後のもも上げ」です。やり方はじつにシンプルで、食後5~10分後にその場に立って太ももを高く上げたり下ろしたりするだけ。これを1分間も行うと、食後、上昇し始めた血糖値が頭打ちされたようにボーンと下がるのです。つまり、この「食後1分間もも上げ」を行えば、血糖値が急上昇することもなく、インスリンが大量分泌することもなく、もちろん中性脂肪が大量に生産されることもなく、脂肪肝や肥満を防げることになるわけです。

みなさんも実践してみてください。ここで紹介した間食や食後運動のノウハウを習慣にすれば、「こたつ脂肪肝問題」も「こたつ運動不足問題」も一気に解決することができるはず。ぜひ、この冬、まったりと過ごす至福の時間を「より健康的なもの」に変えていくようにしてはいかがでしょうか。

栗原 毅 栗原クリニック東京・日本橋医院長

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

くりはら たけし / Takeshi Kurihara

医学博士。北里大学医学部卒業。慶應義塾大学大学院特任教授、東京女子医科大学教授を歴任。2008年、メタボリックシンドロームや糖尿病などの生活習慣病の予防と治療を目的とした栗原クリニック東京・日本橋を開院。「血液サラサラ」の提唱者の1人でもある。主な著書・監修書に、『決定版!内臓脂肪を落とす名医のワザ』『ズボラでも中性脂肪・コレステロールは下げられる!』(ともに宝島社)、『栗原式 書いて下げる魔法の血圧手帳』(笠倉出版社)、『お茶のすごい健康長寿力 高血糖、高血圧、肥満、内臓脂肪から免疫力、認知症、不眠、イライラまで効く!』(主婦の友社)など多数
 

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事