いったいどうして「冬・こたつ・ミカン」がいけないのか。
その理由は複数あるのですが、なかでもいちばんの問題は「ついつい糖質を摂りすぎてしまう点」です。
とくに「ミカンの摂りすぎ」はよくありません。なぜかというと、ミカンに多く含まれる果糖が肝臓にダメージを与えやすいからです。
じつは、果糖には肝臓内だけで代謝されるという特徴があり、日々食べすぎていると余剰エネルギーがどんどん中性脂肪に変換されて、てきめんに脂肪肝が進んでしまうことになるのです。
実際、私の患者さんには、1週間シャインマスカットを食べ続けていたら、それだけでみるみる肝機能の数値が悪化して脂肪肝になってしまった方がいらっしゃいます。こういった無茶な果糖の摂り方をしていると、たった1週間程度でも肝臓への脂肪蓄積がどっと進んでしまうものなのです。
そこでみなさん、「冬・こたつ・ミカン」の状況を振り返ってみてください。ミカンを1個や2個食べる程度ならさして問題はないのですが、きっと、こたつに長居して5個も6個も食べてしまうという人も多いのではないでしょうか。毎日のようにそんな生活をしていたら、果糖の摂りすぎで肝臓にダメージがもたらされるのは到底避けられません。
脂肪肝はあらゆる病気の出発点
それと、注意すべきはミカンだけではありません。こたつにあたっていると、ついおせんべいやお菓子に手が伸びてしまう方も多いでしょう。言うまでもなく、おせんべい、クッキー、ようかん、スナック菓子などにも糖質がたっぷり。そして、これらの糖質も、過剰摂取をしていると次々に中性脂肪に変えられて脂肪肝を進めてしまうことになります。
とにかく、脂肪肝を引き起こす最大の原因は「糖質の摂りすぎ」です。また、最近は脂肪肝があらゆる病気の出発点になると考えられていて、脂肪肝を放っていると糖尿病や高血圧、肥満が進み、さらに動脈硬化、心臓病、脳血管障害、がんなどの重大な病気を招くリスクも高まるとされています。
どうです? そう考えると、「冬・こたつ・ミカン」の間食が健康によくないということへの納得もいくのではないでしょうか。みなさんも、糖質の多いものを「ついつい」「なにげなく」口に運ぶ習慣には十分お気をつけください。


















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