今年から「新年金制度が段階的に施行」も、制度への不安が「いつまでも消えない」根本原因とは?――国民をあおる"三悪人"の正体

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互いに不信感を持ったまま世代間対立が起きるというのは、決して好ましいことではありません。にもかかわらず、そうした対立をあおって年金不安を掻き立てる人たちがいます。それが2つめの理由です。

私は①マスコミ、②金融機関、③野党、の三者を「年金不安をあおる三悪人」と言っています。

“悪人”とはいっても、それは公的年金を正しく伝えたいという私の立場から見て好ましくないと思えるだけで、彼らは決して悪いわけでも何でもなく、むしろ自分たちの利益に忠実に行動しているに過ぎません。

まずマスコミですが、ほとんどのマスコミは世の中で起きたことのうち、悪いことや困ったこと、不安なことを報道するという姿勢が基本です。

九州の宮崎に「日本講演新聞」という新聞があります。これは各種講演会を取材して、面白かった話、感動した話、心温まった話、ためになった話を講師の許可を得て掲載しているという、言わば「いいこと」しか報道しない新聞なのですが、普通の新聞にはこういう記事はあまり載りません。

なぜかと言えば、いい話をしても読まれないからです。

テレビのワイドショーでいえば、暗いニュースや不幸な話を放送しないと視聴率は上がりません。とても残念なことに、人間の心理には「人の不幸は蜜の味」という面があることは否定できません。

また、何か悪いことが起こった時の犯人捜し、すなわち誰かを悪者に仕立て上げることで一般大衆の支持が得られるという面もあります。だからマスメディアというのは不安をあおることが常態化しているのです。

これをけしからんというのは簡単です。SNSでは“マスゴミ”などといういささか品のない言葉も横行しています。

しかしながら、マスメディアの多くは営利企業です。購読数、販売部数や視聴率が上がらないことには、彼らの商売は成り立ちません。どうしても視聴者や購読者が求める“人の不幸”や“犯人捜し”を優先して報道する結果、不安をあおりやすい老後や年金の話に行き着くのは仕方のないことかもしれません。

不安なほうが金融機関には好都合

次に金融機関です。

金融機関にとっては、多くの人が「年金は不安で破綻するかもしれない」というイメージを持っていてくれた方がいいのです。年金が頼りにならないからこそ自分たちが販売する金融商品が売りやすくなるからです。

私もかつてはその一味でした。30年前、40年前には「年金なんてあてになりませんよ」と言って、お客様に投資信託の購入を勧めたものです。

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