今年から「新年金制度が段階的に施行」も、制度への不安が「いつまでも消えない」根本原因とは?――国民をあおる"三悪人"の正体
私は年金不安の理由は大きく3つあると思っています。その3つとは、以下になります。
②年金不安をあおる人たちがいるから
③年金について間違って理解しているから
経験者は黙っている
まず、60歳未満の人のほとんどは、実際に年金を受給した経験がありません。
現在では、公的年金の支給開始は65歳で、繰り上げれば60歳から受給することもできますし、年齢によっては60代前半で特別支給の老齢厚生年金を受給している人もいますが、60歳未満の人は老齢年金を受給していません。
60歳未満の人の中に「自分はかつて一度70歳だったことがある」という人は1人もいません(笑)。つまり、老齢年金の受給に関して60歳未満の人は、誰もがこれから経験することなのです。
誰しも自分が経験していないことは不安です。「自分がその年齢になったら本当に年金がもらえるのだろうか?」と不安になるのは当然と言っても良いでしょう。
したがって、60歳未満の人の多くは年金を不安に思っているし、そうコメントする人が多いのです。
では、実際に年金を受け取り始めた65歳以上の人はどうでしょう?
彼らが「いやあ、年金をもらってありがたいです。こういう制度があってよかったです」と言っているでしょうか? そんなことはありません。
人間は不安や不満があれば声高に唱えますが、満足している時には何も言いません。高齢者がみんな「十分いただいて満足していますよ」などということを言って、年金支給額が減らされたりしたら大変だと思うからです。だから、年金を受給している人たちは誰もがひっそりと黙っているのです。
昔、年金不安を声高に叫んでいた評論家の人たちもみんな今は年金を受給できる年齢になっていますが、ほとんどの人がもう何も言いません。
さらに言えば、一部の高齢者の人たちは「こんな金額では生活していけない。年寄りをいじめるな」と言い、若者は「お年寄りは“逃げ切り世代”で得をしているけど、自分たちはワリを食っている」と言います。
ところが、今や働いている人の9割を占めるサラリーマンをリタイアした人たちにとっては、生活していけないほど年金支給額が少ないというわけではありません。また、後に詳しく説明しますが、逆に高齢者の人たちは“逃げ切った”わけでも得をしているわけでもないのです。

















