今年から「新年金制度が段階的に施行」も、制度への不安が「いつまでも消えない」根本原因とは?――国民をあおる"三悪人"の正体
金融機関の営業マンが年金不安を唱えて商品を勧めるのは、営利企業としては当然の行為です。彼らは、収益責任を負っています。一定の収益が上がらなければ株主からは不満が出ますから、違法行為でない限り、工夫をして金融商品を販売しようとするのは当然です。
それに、彼らの弁護をするわけではありませんが、彼らは自分たちがうそをついているとは思っていません。一般市民と同じく、「年金はあてにならない」と信じているからこそ、自信を持って自社の金融商品を勧めているのです。
会社では公的年金の正しい知識など教えてくれませんから、彼らが間違ってしまうのも仕方ありません。私自身、現役当時は本当に「年金の将来は危ない。だからお客さんに金融商品を勧めるのはお客さんのためだ」と信じて働いていました。
年金批判における野党の「成功体験」
そして3番目が野党です。野党にとっては、「年金」というのは政府を攻撃するには格好の材料なのです。
実際に成功体験もあります。
2009年に政権交代がありましたが、その前の2007年にいわゆる「年金加入記録問題」が起こり、国会やマスコミにおいて当時の社会保険庁の年金記録管理に対して国民から大きな批判の声が上がり、それが結果的に政権交代につながったと言えるからです。
事実、政権交代後の2009年12月に当時の鳩山由紀夫首相は「記録問題を何とかしてほしいという国民の期待が、政権交代の原動力になった」と発言しています。
ただ、その後の民主党政権の中枢にいた方々の発言を聞いていると、年金について誤解していたという反省ニュアンスの発言もありますので、必ずしも悪意を持って、意図的に攻撃材料として年金問題を使ったわけではないかもしれません。
いずれにしてもマスコミや金融機関同様、年金不安を言い募ることが、自分たちの最大の利益である政権交代につながったというのは事実と言っていいでしょう。
これらの三者は必ずしも悪意を持っているわけではなく、いずれも自分たちの利益を最大化することを目的に行動しているという共通点があります。したがって、彼らを責めても仕方ありません。
我々が考えておかなければならないことは、我々自身が年金について正しい知識を持って、彼らの思惑に惑わされないようにすることだと思います。

















