「相手の要望に応える」「呼ばれたら駆けつける」…「いい人」ほど営業成績が上がらないのはなぜ?背景にある"残念すぎる真実"

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ここで、筆者の体験を1つ紹介します。

あるとき、とある保険営業マンから、初対面にもかかわらず、軽い調子でこう声をかけられました。

「ちょっとだけ営業のアドバイス、もらえませんか?」

普通の営業マンなら、「嫌われたくない」「感じよく見られたい」という思いから、ついその場で無料のアドバイスに応じてしまうかもしれません。しかし筆者は、その誘いにこう答えました。

「その時間を取ることは、あなたにはメリットがありますが、私にはどんなメリットがありますか? アポイントの取り方として、その発想自体が“売れない営業マンの思考”ですよ」

当然、その場では相手にとってひどく不快な言葉だったはずです。しかし数年後、その営業マンから私にメッセージが届きました。

「あの一言が衝撃すぎて、冨田さんのことがずっと忘れられませんでした。あのときは正直ムッとしましたが、気づけばファンになっていました」

その後、彼は筆者の営業プログラムを正式に受講し、わずか1年で年商を10倍に伸ばしました。

もしあのとき、私が感じよく見られたい一心で、その場しのぎの無料アドバイスをしていたらどうでしょうか。おそらく一時的な「いい人」で終わり、彼の人生が変わることも、長期的な信頼関係が築かれることも、なかったはずです。

このエピソードが示しているのは、「嫌われるリスクを引き受けてでも本質を伝える姿勢こそが、本物のファンを生む」ということです。

「付き合う顧客」を選び抜く

普通の成果で満足している営業マンは、「来る者拒まず」で、ほぼすべての顧客と付き合おうとします。

一方で、普通の10倍の成果を上げる営業マンは、付き合う顧客を徹底的に選び抜きます。

具体的には、次のようなタイプの人とは距離を置きます。

・何度も同じ質問を繰り返し、行動に移さない人
・自分の非を一切認めず、常に誰かのせいにする人
・約束や時間を平気で守らない人
・値引き交渉ばかりで、価値ではなく金額だけを見る人
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