「相手の要望に応える」「呼ばれたら駆けつける」…「いい人」ほど営業成績が上がらないのはなぜ?背景にある"残念すぎる真実"
一見すると「顧客思い」で評価されそうですが、現実には、こうしたスタイルの営業は時間も体力も消耗し続けるわりに、売上も単価も上がっていきません。
なぜなら、彼らは本来、営業が果たすべき役割――「顧客をよりよい方向に導く」という仕事を放棄し、単なる“御用聞き”になってしまっているからです。
顧客のリクエストにただ応じるだけでは、顧客が本当に必要としているものを提案できません。その結果、期待値だけが膨らみ、責任だけが営業側に積み上がっていきます。
つまり、「嫌われたくない」という善意の感情が、いつの間にか「自分も顧客も不幸にする構造」を作り出してしまっているのです。
“究極の自分本位”とは?
では、普通の10倍の成果を上げる営業マンは、何を大事にしているのでしょうか。彼らが共通して持っているのが、「究極の自分本位」というスタンスです。
ここでいう“自分本位”とは、「自分さえよければいい」というちっぽけな利己主義ではありません。自分の時間・思考・体力といった限りあるリソースを最優先で守り、そのうえで、もっとも高い価値が出る形で顧客に提供していくという発想です。
例えば、普通の10倍の成果を上げる営業マンは、次のようなことを平然と決断します。
・明らかに負荷が大きく、リターンの小さい依頼は引き受けない
・自分が価値を出せないテーマの相談は、別のプロに紹介する
・心身が削られるだけの付き合いは、勇気を持って手放す
一見すると“わがまま”に見えるかもしれませんが、長期目線で見れば、こうした決断こそが顧客の利益にもつながります。
疲れ果てた状態で中途半端な提案をするよりも、最高のコンディションで向き合い、本当に役立つ提案を行なうほうが、顧客にとっての価値は圧倒的に高くなるからです。
つまり、究極の自分本位とは、「自分を最優先で整えることで、顧客への提供価値を最大化する」プロフェッショナルとしての矜持なのです。
日本では、営業という仕事がしばしば「商品説明をする仕事」だと誤解されています。ノリと愛想をよくして相手を持ち上げ、楽しい雑談を交えれば、成績が出ると誤解している人もいます。
しかし、普通の10倍の成果を上げる営業マンは、微塵もそんなふうに捉えていません。営業の本質を、まったく別のものとして捉えています。



















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