日高屋の「分かち合う資本主義」徹底解剖。「家でつくるより安い!」ギリギリ価格で提供し地域に貢献+社員には赤字でも「3回目のボーナス」支給

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最近では、閉店したコンビニ跡地への出店も増えている。地域から消えた灯を、日高屋が再び灯す。すると「治安が改善した」という安心の声が届く。同時に、1店舗で30~35人の雇用も創出している。

成長分配金という従業員への還元、低価格・雇用・明るさという地域への還元、そして継続的成長という未来への還元。これらすべてが「分かち合う資本主義」の本質なのだ。

ビールとハイボール
生ビール390円。お代わり必須の筆者には400円以下がうれしい(筆者撮影)/陸ハイボールは340円で提供する(筆者撮影)

84歳創業者「俺が生きている間に1000億円を」

目指すは、年商1000億企業。

「会長の神田から、俺が生きている間に達成してくれと言われています。今84歳、もうじき85歳になるんですけども⋯⋯。ここ10年以内、2035年までにはなんとか」と苦笑いする青野社長。当面の目標は、2029年に750億を達成することだ。

けれど、あくまでもこれは毎年20~30の出店をした場合の試算。数件話が来ているM&Aや、飲食チェーンとのFC契約をした場合、もっと早期に達成できるかもしれない。また、すぐにではないが海外にも目を向けており、食材の調達先などを探しはじめている。多くの可能性を消すことなく、慎重に見極めていく。

今年で創業52年を迎えるハイデイ日高。帝国データバンクが行った「全国老舗企業分析調査」によると、100年続いている企業はわずか2.75%だそうだ。青野社長はその100年目を見据えている。

「その頃には『世界の日高屋』になっているはず。自分は生きているかわかりませんが、『世界の方から愛される日高屋』になっていてもらいたいですね」

【あわせて読む↓↓前編】
「サラリーマンの天国」日高屋に高齢者が殺到する"異変"? 《420円中華そばで年商600億円の凄み》「ちょい飲み発祥店」、変化のワケを深掘り
24時間営業の神田西口店
24時間営業の神田西口店。時間を気にせず飲めるのがうれしい(筆者撮影)
【写真】日高屋を徹底解剖!料理や店内の様子など(9枚)
外食ビジネスのハテナ特捜最前線
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笹間 聖子 フリーライター・編集者

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ささま・せいこ / Seiko Sasama

フリーライター、時々編集者。おもなジャンルは企業ストーリー、ビジネス、幼児教育、発酵。編集プロダクション2社を経て2019年に独立。ホテル業界誌で17年執筆を続けており、企業と経営者の取材経験多数。「プレジデント・オンライン」「ダイヤモンド・チェーンストア・オンライン」「月刊ホテレス」「FQ Kids」などで執筆。企業noteのライター、ブックライターとしても活動。大阪在住。

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