味の統一のため、麺やスープなどのオリジナル商材は日高屋のセントラルキッチンから配送。野菜などに関しては、鮮度の高い地元のものを使って、カットなどの加工はブランドで統一した形で行ってもらう。
青野社長は「このFC店が成功するかどうかによって、今後が変わってきます」と緊張をにじませる。成功すれば、新潟はもとより東北で展開する構想を立てている。ゆくゆくは、西日本に出店を進めていきたい考え。その行方を占う重要な一歩だ。
「420円」を死守!「家で食べるより安い」の声
日高屋のいう「分かち合う資本主義」は従業員に向けてのものだけではない。ビジョンとして、「食を通して地域社会活性化に貢献する」を掲げており、社会インフラ的な役割になることも目指している。
一方で、物価上昇を受けて、従業員の給料も上げなければならない。その原資のため値上げも実行した。2024年12月には、約7割の商品を3.9%程度値上げ。それでも中華そば420円、生ビール390円という安価を守る。米が高騰するなかで、白飯はお茶碗一杯210円だ。
「いかに来店した方が次も来てもらえるかがうちの生命線です。いつでも誰でも食べられる値段で提供したい。人件費と原価が一定の割合で守られる、ギリギリのラインを攻めています」
このギリギリの価格に、足繁く通う客からは「家でつくるより日高屋で食べたほうが安い」という声が聞こえる。
出店した際、「ようやく来てくれた」と言ってくれる客も多いそうだ。宇都宮に出店した時もある客に、「昔は東京にいてよく食べてたんだけど、定年して宇都宮に帰ってきて、日高屋が近くになかったんだよ」と感謝された。
「それを聞いて、私たちは本当にインフラになれてきたんじゃないかとうれしかったですね。地域になくてはならない存在になっていきたいというのが、我々の目標ですから」



















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