患者や家族は「奇跡的な回復」を求めるが……
窪田:酒向先生の「攻めのリハビリ」では、できるだけ早いタイミングで負荷の高い訓練に取り組みます。患者さんにも、あきらめない力が強く問われるのではないかと思います。
酒向:あきらめない力もそうですが、私はあきらめる力も大切だと思っています。私のところに来られる患者さんやご家族は、「ここに来れば奇跡的に回復するのではないか」と思っているわけです。でも、治療は純然たる科学なので、奇跡では語れません。
脳画像を見た時点で、どこまで意識が回復して、どれぐらい体が動くようになるか、ある程度わかります。実際、よくしてほしいと言って全国から相談に来られる、寝たきりの重症患者さんのうち、じつに7割ぐらいの方がもう回復は見込めないのです。それを私がお伝えすると、「今までは何とかなるんじゃないかと思って頑張っていたけれど、酒向先生がそう言うならあきらめがつきました。これからは、今の体での新しい生き方を考えてみます」と言われることがあるんです。


















