リハビリがもたらす「超回復」とは? 患者にも家族にも大事な「あきらめない力」と「あきらめる力」

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窪田:軽度の認知症の方で、歩くことで回復が見込めるという情報が広まれば、じゃあ頑張って歩いてみようと思う方も増えるでしょう。薬を使うよりも自然だし、筋力を鍛えることにはほかにもさまざまなメリットがあるのですから、やらなきゃ損という感じですね。

筋肉のためには、水平運動よりも垂直運動

酒向:7500歩より多く歩いても効果が上がるわけではないようですが、5000歩を下回ると効果が下がるということなので、5000歩以上の歩行が脳にいい影響を与えることは明確です。歩くことには、視覚や聴覚の刺激や、他者とのコミュニケーションなど、かなりいろいろな要素が含まれていると思います。それを加味した総合的な数字が、この5000〜7500という数字なのでしょう。

ただ、筋肉増強の点から考えると、歩行という水平運動よりも、階段を上り下りする垂直運動のほうがおすすめです。約400歩が階段昇降の1階分に当たるので、例えば6000歩なら15階まで上がる運動に相当します。あるいは毎日50回×3セットのスクワットもいいですね。私は病院勤務のおかげで、院内の階段を上り下りする機会がたくさんあり、毎日15~20階分を昇降しています。日々、いい運動をしているなあと感じています。

窪田:私も同じく、駅では絶対にエスカレーターには乗りません。「やった、運動のチャンスが来た」と考えて階段を登っています。

酒向:私も実は、60歳を過ぎたころから、地下鉄の階段を上がると息切れするようになったのです。練馬区にある病院への通勤には新宿線や大江戸線を使いますが、とくに後者は地中深いところを通してあるので、階段も長いんですよね。「これは自分の体が変わってきたな」と気付いて、『筋肉革命95』の書籍にもまとめた「サコーメソッド」を始めました。それから約4年が過ぎましたが、同じ階段を使っていても息は切れなくなりました。運動を継続することの効果を、自ら実感しています。

(構成:鈴木絢子)

酒向 正春 医療法人社団健育会 ねりま健育会病院 院長・ライフサポートねりま管理者

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さこう まさはる / Masaharu Sakoh

1961年愛媛県宇和島市生まれ。医学博士。日本リハビリテーション医学会・脳神経外科学会・脳卒中学会・認知症学会専門医。愛媛大学医学部卒業後、同大学脳神経外科教室に入局して1987年に脳神経外科となる。デンマーク国立オーフス大学で脳科学とリハビリテーション医学の連携を学び、2004年に脳リハビリテーション医に転向。同年に初台リハビリテーション病院で脳卒中診療科長を、2012年に世田谷記念病院副院長および回復期リハビリテーションセンター長を歴任。2017年3月から現職に。近年は自治体とも協力し、リハビリや認知症予防にも効果的なまちづくりにも取り組んでいる。近著に『筋肉革命95:何歳からでも実現できる95歳で当たり前に歩いて楽しむ人生を』(日刊現代)がある。

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窪田 良 医師、医学博士、窪田製薬ホールディングスCEO

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くぼた りょう / Ryo Kubota

慶應義塾大学医学部卒業。慶應大医学部客員教授、米NASA HRP研究代表者、米シンクタンクNBR理事などを歴任。虎の門病院勤務を経て米ワシントン大学助教授。2002年創薬ベンチャー・アキュセラを創業。2016年窪田製薬ホールディングスを設立し、本社を日本に移転。アキュセラを完全子会社とし、東証マザーズに再上場。「エミクススタト塩酸塩」においてスターガルト病および糖尿病網膜症への適応を目指し、米FDAからの研究費を獲得し研究開発を進めているほか、在宅医療モニタリングデバイスや、ウェアラブル近視デバイスの研究開発を行っている。

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