【専門医解説】「腎臓寿命を延ばすには必須!」食事でリンを減らす対策5選→ターゲットにすべきは加工食品に含まれる「無機リン」

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〈リン対策の工夫④〉「日持ち」「色」「値段」に注意しておく

加工食品には、たまに驚くくらい賞味期限が長いものがあります。ただ、何カ月も何年も日持ちがするということは、それだけ保存料や防腐剤などの添加物が使われているということに他なりません。缶詰の場合は別ですが、とんでもなく日持ちがする加工食品の購入には慎重な姿勢をとるべきでしょう。

また、食品の色もポイントです。およそ食べ物とは思えないようなどぎつい色をしていたり、不自然なほどに鮮やかな色をしていたりする食品は、着色料や発色剤などを使用している可能性大。なるべく買うのを控えておいたほうがいいでしょう。

それと、値段が安すぎるものにも注意を払うべきです。同じ種類の食品なのに値段にかなりの開きがあるものは少なくありません。ただ、値段が安いものはコストを下げようとして安易に添加物に頼ってしまっている傾向が高いようです。逆に、値段が高いものには添加物に頼らずに提供しようと努力しているケースが目立ちます。このあたりは値段に正直に反映されていることが多いので、気をつけて選ぶことをおすすめします。

〈リン対策の工夫⑤〉「○○料」「○○剤」の表記が多いものは買わない

買い物をする際は、手に取った食品をカゴに入れる前に「食品表示ラベル」を見る癖をつけておくようにしてください。ラベル中に「リン酸塩」「リン酸化合物」「メタリン酸」「ポリリン酸」といったように「リン」の表記があったなら、リン添加物が使われているという証拠です。ただ、なかにはリンが使用されているのに「リン」と書かれていない添加物もあります。これには「かんすい」「酸味料」「香料」「乳化剤」「pH調整剤」「強化剤」「加工デンプン」などの添加物が相当します。

たぶん、「こんな添加物の名前なんて、いちいち覚えていられない」という人が多いと思うので、私は「ラベルをパッと見て、『○○料』『○○剤』という表記が多いものはカゴに入れない」というスタイルをとることを推奨しています。これを徹底するだけでも、日々食卓に上るリンを減らすことにつながっていくはずです。

手間を惜しまないことが腎臓の健康につながる

いかがでしょう。とにかく、リンは知らず知らずのうちに口に入ってきてしまうことが多いので、こういった「ちょっとしたひと手間」を習慣づけておくのとおかないのとでは、ゆくゆくリン摂取量に大きな差が生じるはずです。ぜひみなさんは、手間を惜しむことなく、リンの過剰摂取を防いでいくようにしてください。そのうえで腎機能の低下を防ぎ、腎臓寿命を延ばしていくようにしましょう。

上月 正博 東北大学名誉教授、山形県立保健医療大学理事長・学長

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こうづき まさひろ / Masahiro Kouzuki

医学博士。日本腎臓学会功労会員、総合内科専門医、腎臓専門医、高血圧専門医、リハビリテーション科専門医。1981年、東北大学医学部卒業。東北大学大学院内部障害学分野教授、東北大学病院リハビリテーション部長、東北大学大学院障害科学専攻長、同先進統合腎臓科学教授を歴任。2022年より現職。心臓や腎臓などの内部障害のリハビリテーションを専門とする。2011~2021年日本腎臓リハビリテーション学会理事長、2020より国際腎臓リハビリテーション学会理事長。2018年には腎臓リハビリテーションの功績が認められ、心臓や腎臓の分野に貢献した科学者に贈られる世界的に名誉ある賞「ハンス・セリエメダル」、2022年には「日本腎臓財団功労賞」を受賞。

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