「似ている人」ばかり集めても解決策にはならない…【配属ガチャ】による離職を防ぐ"本質的な対策"

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一定のレベルに達しているか、一定の強い思いがあるのかといったことが、会社が求めるものと「相互補完的にマッチしているか」を見るのが能力やニーズです。一方で性格や属性は、「どの程度尖っているか」よりも、「どんな方向性か」のほうに注目される傾向にあるため、類似性のほうが重要になってきます。

このように、単なる「合うかどうか」を考える際には、その「レベル感が合うか」と「方向性が合うか」は区別して考える必要があります。そのうえで、自社の職場や職種に対して、どのような人が合うのかを考えることが大切です。

たとえば、「人と円滑にコミュニケーションをとる必要がある職種」であれば、円滑なコミュニケーションができる「能力」が求められます。一方、職場環境はフルリモートで、社内コミュニケーションは少ない傾向がある環境でも、自律的に仕事に取り組むことになじみやすい「性格」がマッチすることも考えられます。

前者は行動や態度、後者は性格の話をしているため、別々の要件を考えるほうが良いことになりますね。

「自分は合っているんだ」と思えることが重要

学術的には、特に能力やニーズに注目し、適合について検討する需要―能力フィット(Demands-Abilities Fit)や要求―供給フィット(Needs-Supplies Fit)という概念が研究されています。

これらを仮に「能力フィット」「興味フィット」と呼ぶとすると、それぞれが高いほうが、入社後・配属後のパフォーマンスも高まることがさまざまな研究で報告されています。

自分の能力に合った仕事に就くことや、興味に合った仕事ができることでパフォーマンスも上がるというのは、現場の感覚にも合致しますね。

基準となっている評価数値と本人の自己評価が数値的に一致していること(客観的フィット)よりも、本人が「自分は合っているんだ」と思えること(主観的フィット)のほうが、定着に対する影響が大きいという結果も出ています。

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