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「似ている人」ばかり集めても解決策にはならない…【配属ガチャ】による離職を防ぐ"本質的な対策"

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  • 佐藤 映 臨床心理士、公認心理師
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厚生労働省の発表によると、新規大学卒就職者(令和4年卒業者)の離職状況は33.8%という情報もあり、一括初期配属が人材流出につながっている可能性もあります。

初期配属の職種に最適な人材ばかりを採用してしまうと、個性がなくなってしまい、その後の幅広い職種にマッチする人材がいなくなってしまいますが、合わない人が早期に辞めてしまうなら結局同じというジレンマもあります。

早期からの柔軟な配属や異動ができればいいのですが、そこまで現場のことを詳細に把握しづらく、気づけば多くの新入社員が早期離職になっている、なども生じがちです。

社内でのキャリアアップを意図した配置配属は、どのように行えばいいのでしょうか。

「適合する」とはどのような状態か?

人事施策で使う心理診断のツールを提供していると、特に大きな規模の企業においては、採用よりも配属や配置の適性を見るために使いたいというニーズに多く出会います。

何千人という従業員が所属している企業には、共通の守るべきポリシーや指針はあっても、全員がこの価値観になってくださいといった個人に求める共通の性格はないに等しいです。

むしろ、総合職として採用しながら、店舗での営業職や事務職、新規事業や管理部門などのさまざまな職種で、どういった人材が求められており、また適性があるのかを考慮しながら、主に最適な配置や配属のために客観的な情報を参考にしたい、という要望が多くみられます。

人と組織、人と仕事の適合に関する研究分野の代表としては、パーソン・エンバイアロンメント・フィット(P-E fit:Person-Environment fit)の研究領域があります。直訳すれば「人と環境の適合」ですが、この直訳をさらに細分化した、人と組織の適合や、人と仕事の適合などが焦点になっています。

適合の要素は、能力や興味関心の方向性を中心としながら、性格や属性など「個人」にまつわるさまざまな変数が扱われます。

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【多岐にわたる「適合の要素」】

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