「似ている人」ばかり集めても解決策にはならない…【配属ガチャ】による離職を防ぐ"本質的な対策"
環境の要素は、その組織の傾向や文化、従事すべき仕事の内容や性質などが該当します。それぞれ複数の要素、複数の組み合わせがあり、さまざまな角度で「適合するとはどういうことか」が研究されています。
「似ているVS噛み合う」2つの適合のパターン
「合うかどうか」については、「類似」と「相補」の大きく2つの方向性があります。
類似はその名のとおり、特徴が似通っていたり、同じであることを指しています。一方で補完は、需要と供給が一致しており、互いが相互補完的であることを指しています。
個人対個人の心理学の研究では、性格や属性が類似している組み合わせのほうが、親密感や信頼感を感じやすいという研究があり、「もっとこの人に話したい」といった欲求が増えることも確認されています。
同郷の新人に親しみを覚えたりすることを思い出していただけると感覚的にもわかりやすいのではないでしょうか。
一方で、補完的な適合については、「こういうスキルがある人がほしい」という職場のニーズと、「こういうスキルを活かしたい」という求職者のニーズが一致する、といったことが考えられます。
私は、類似性では、性格や属性の要素が扱いやすく、補完性の研究では、能力やニーズの要素が扱いやすいと考えています。
内面的な性格や属性は無限に近い要素があり、絡み合う要素が多すぎることから、「噛み合う・補い合う」ことをパターンで捉えることが大変難しいからです。一方で能力やニーズについては、特定の変数に注目して噛み合わせ・相補性を検討しやすいため、相性が良いです。
これらの違いは、その特性ごとの根本的な性質、すなわち「強さVS方向性」の違いに由来します。
性格や属性は、強さではなく方向性を表現するものであり、「どれくらいあるか」ではなく「どのような特徴があるか」を捉えるための横に広い概念です。
一方で、能力やニーズも横に広くさまざまなものがありますが、加えて「どの程度できるのか」「どの程度強い思いがあるのか」といった「強さ」という縦の違いが強調される概念です。



















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