ビックカメラのコジマ買収、再編劇は最終章へ

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それと対照的なのが業界3位のケーズ。東北地盤のデンコードーをはじめ、買収によって全国網を築いてきた。ケーズは買収した企業の仕入れ一本化と看板統一をいち早く進めてきており、それが高い利益率に結び付いている。

同社は今後、「全国で店舗網を築けたので、M&Aは考えない」(加藤会長)と自前路線を貫く構えを見せる。とはいえ、過去にヨドバシカメラと一部商品の仕入れで協業しており、今後また連携に動いても不思議ではない。
ネット通販も脅威に

右肩上がりで成長を続けてきた日本の家電量販店は、曲がり角に差し掛かっている。国内の市場規模は8兆円といわれるが、12年3月期は2割縮小し、13年3月期は1割縮小する見通しだ。政府のエコポイント政策や地上デジタル放送への完全移行に伴い、薄型テレビ市場が急速に縮小した影響が大きい。

ネット通販も新たな脅威として業界では認識されつつある。すでに米国ではアマゾンが家電販売を急速に伸ばしており、家電量販店最大手のベストバイはリストラを余儀なくされている。

日本のネット通販の場合、今のところは小型製品の取引が中心で、型落ちのアウトレット品が販売される場合が多い。ヤマダは「店舗に来る客は最新の家電製品が欲しいので競合しない」(山田会長)と説明するが、米国の動向が対岸の火事とは言い切れない。

ネット上で安売りが当たり前になると、全国一律価格が浸透することになる。これまで各社はライバル店の動向を踏まえつつ、店舗ごとに粗利率をコントロールしてきたが、それも通用しなくなってしまう。

価格以外の差別化が難しい家電の販売で勝ち残るには、拡大路線を突き進まざるをえない。外部環境が厳しさを増す中、最終的に家電量販店は4~5社に集約されるといわれている。ビック・コジマ連合が誕生しても規模はヤマダの半分程度で、さらなる再編が加速するのは必至。業界再編は最終章へ突入する。

ビックカメラの業績予想、会社概要はこちら

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(前田佳子 撮影:梅谷秀司 =週刊東洋経済2012年5月26日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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