ビックカメラのコジマ買収、再編劇は最終章へ
店舗名はそのまま
今回の買収は、ビックとコジマの競争力向上につながるのか。
コジマの寺崎悦男社長は「ビックカメラの品ぞろえや店舗レイアウトを取り入れていく」と言う。家電だけでなくビックが得意とするデジタルカメラやおもちゃなども販売するなど、コジマは店舗ごとに取扱商品を見直すことで、競合他社との差別化を図る戦略だ。
さらに調達資金を元手に、今後3年間で不採算店40~50店を閉鎖する一方、40店を出店する。合併でシェア25%まで拡大した関東圏で出店を拡大し、店舗網の見直しを急ぐ。これによって収益力が大きく改善する、とそろばんをはじく。
ビックは買収後も「コジマ」の店舗名は変えず、ポイントの共通化も考えていない、とする。
こうした買収の効果について、ライバルたちは懐疑的だ。「組むだけで単純に利益が増えるというのは机上の空論」(ケーズの加藤修一会長)。つまずいた例がすでにある。
業界2位のエディオンは、02年に広島地盤のデオデオと愛知地盤のエイデンが合併して誕生。その後も関西のミドリ電化や関東の石丸電気を買収したが、各社の独立性を重視し、店舗運営などをグループで統一してこなかった。10年に仕入れを一本化したが、経常利益率は低水準にとどまっている(表)。今年10月にようやくストアブランドを「エディオン」へ統一する予定で、チラシ制作など重複するコストを削減する。