"正論"で顧客を激怒させた若手コンサルの悲劇:「上司に詰められた」「案件が炎上した」…痛い目を見たおじさんこそAI時代に重宝される理由
彼はスピーディに現状分析を行い、あるクライアントに対して業務改善の提案を行いました。論理的には文句のない提案書です。しかし、その中の一文が、先方のベテラン部長の逆鱗に触れました。
「非効率な業務をデジタルに置き換えることで、工数を削減する」
AIに聞けば、「無駄を省くのが業務改善なので、問題ない」と答えるでしょう。しかし、先方の部長は烈火のごとく怒りました。
「非効率とはなんだ!そもそもデジタルが登場するより前から現場で、先人たちが価値のある業務プロセスを築いてきた歴史があるんだ。それを『非効率』の一言で切り捨てるとは何様のつもりだ」
ここで重要なのは、提案の論理的正しさではありません。「その業務に関わってきた人たちの歴史やプライド(感情)」に対する想像力の欠如が、地雷を踏んだのです。
「感じた痛みの多さ」が人を成長させる
もし、過去に「正論を吐いて人が離れていく」という痛みを経験していれば、「この言い方はマズい。まずは現場の苦労を労う文脈を入れよう」と気づけたはずです。しかし、修羅場を知らない若手(そしてAI)には、その複雑な背景が見えていません。
彼には悪気があったのでしょうか? もちろん、全くそんなつもりはありませんでした。この「悪気なく地雷を埋めていく」という状態が、冒頭の若手にも共通します。
深く反省した彼は、それ以来、資料や会話の一言一言に対して、非常に気を遣うようになりました。人が変わったようだったと、仲間内では語り草になっているほどです。



















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