その中ではポートの共同利用にくわえ、バッテリーの供給メーカーが同じことなどから、オペレーションの最適化や、車体・修理用備品・ポートのラックなどの共同調達の検討が含まれている。
こうなってくると、シェアサイクルが移動する際の緯度・経度・時間などをベースとする、より多くのビッグデータを取得することができ、さらなる社会貢献につながるとともに、そうしたデータが企業の資産であり事業の強みになっていくだろう。
そうしたこともあり、最近ではシェアサイクル分野で、こうしたサービス・プロバイダーの新規事業に目が向く傾向がある。
ただし、ハードウェア・ソフトウェアなどのシステムは、あくまでもツールにすぎない。これを社会のためにどう活用するかは、各地の地域性や社会的背景によって大きく違うはずだ。
たとえば、神奈川県横浜市では観光を視野に入れた「グリーン・マルチモビリティハブステーション・みなとみらい」(2024年12月21日〜2025年3月23日)や、川崎市では地域の交通課題解消を念頭に置いたモビリティステーション「モビステ・川崎・橘公園」(2025年11月25日〜2026年2月28日)の社会実証実験を行っている。
各自治体と神奈川県内の大手自動車ディーラーであるKTグループとウエインズグループを中心としたアットヨコハマが連携し、シェアサイクル、電動キックボード、歩行領域モビリティ、カーシェアなどと公共交通の交通結節拠点のあり方を模索しているところだ。
そうしたDX(デジタルトランスフォーメーション)が進むシェアサイクルの世界で、社会改善活動を軸とするポロクルが担う役割は大きいだろう。
最後に5年後、10年後のポロクルの姿をどのように想像しているかを聞いた。以下、ポロクルからの回答だ。
<回答>
NPOの理念の実現に向けて、公共交通補完の役割や観光客の移動支援などに貢献するためのポート配置や自転車台数、料金の最適化を行う。
それとともに、行政との連携をより強固なものにしながら札幌の持続可能な都市交通の一端として、まちづくりと交通施策の両面から価値を発揮していきたい。
そのうえで、長期的な姿として、他都市での動向を参考にし、北海道内の他の事業者との連携も視野に入れながら、ポートの高密度化やエリア拡大、北海道の地方都市での展開サポートなどを検討しながら、地域交通の担い手としての価値を発揮していきたい。
札幌の「春の風物詩」はこれからも
ポロクルは、試行錯誤の末に最適化を見つけたといえる。札幌の「春の風物詩」が生み出したモデルが、全国で一年を通じて見られる「当たり前」になるかもしれない。
ポロクルの歩みを、これからも定期的に見ていこうと思う。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら