なぜいま注目される?札幌の「春の風物詩」といわれるシェアサイクル「ポロクル」

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2つ目は、地元企業と連携して活動を続けていること。

開発初期のサイクルポートは、北海道の酪農業と製造業を支える株式会社土谷製作所が開発。自転車は、公共空間施設のデザインを手掛ける南雲勝志氏と、武田産業株式会社が共同で開発した。

なお、現在はドコモ・バイクシェアのハードウェアとシステムを使用する(詳しくは後述)。

「雪=白」をイメージし南雲勝志氏がデザインした、初期のポロクルオリジナル自転車。ポートも地元の土谷製作所によるインテリジェント型のオリジナルだった(画像:ポロクルHP)

また、札幌大通まちづくり株式会社など、地域のまちづくり団体と連携し、単なる交通手段ではなく都市の魅力向上に貢献している。

3つ目は、若者主体の運営体制である点だ、環境対策活動をきっかけに設立したNPO法人ezorockと連携。ポロクルの現場運営を通じて、地域課題を解決するために、自転車利用環境の向上に関するイベントや交通ルールやマナーの啓発活動も行う。

現在は、2026年4月から交通反則通告制度(いわゆる青きっぷ)が自転車にも採用されることを踏まえた活動を進めている。

ドコモ・バイクシェアとの共有化

上記にまとめたように、さまざまな特徴があるポロクルだが、ここに至るまでの道は決して平坦ではなかったようだ。

大きな課題だったのは「事業としての持続性の難しさ」である。

最初の3年間は株式会社の事業として展開し、社会的活動として大きな評価を得たものの、事業としては想定の収益を大きく下回った。

札幌地域単独の事業であり、また冬季休業という制約があることは理解したうえで事業を進めたが、事業が軌道に乗るだけの需要が創出できなかったと言えよう。

それでも、社会的な活動の必要性を重んじ、2014年にポロクル事業を継続するために運営主体をNPO法人化した。

認定NPO法人としての理念(画像:認定NPO法人ポロクルHP)

NPO法人として社会課題の解決により札幌の活性化を目指す、「社会改善活動」という立ち位置が明確になった。

2019年にもポロクルの転換期は訪れている。NTTドコモとの共同運営を始め、ハードウェアは電動アシスト自転車に。また、ソフトウェアなどシステムについても、ドコモ・バイクシェアと共有化したのだ。

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