育休は「細切れ取得」こそ正解だった? フルリモート夫が明かす、家庭も仕事も回る"戦略的休み方"

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子どもと一緒にいたい気持ちのほうが勝り、好きだった土日のゴルフも自然に行きたくなくなったという。「お金の使い方もかなり変わりました。昔はあまり後先を考えずにパッと使いたい時に使うほうでした。でも今は持ち家のローンもあるし、将来を見据えた資金計画を立てつつも、家族で今だからこそ楽しめることに使いたいから無駄遣いをしたくない、と思うようになりました」。

「例えば、昨年の5月には道南のほうに2週間の保育園留学をしてみたんですが、そこで得た経験はまさに『プライスレス』でした。家族みんなで短期移住したのでかなりお金はかかりましたけど、長男が小学校に上がる前のタイミングじゃないとできないし、やってよかったなと思いますね」

(写真:幡生さん提供)

食生活も変わった。以前は深夜残業に加え外食も多く、生活全体が不健康な状態だった。結婚し、妻が作る健康的な食事を食べるようになってからはかなり改善された。フルリモートとなった現在では、平日夜に飲みに行くことはほとんど無くなった。

「なので、健康診断の結果を見ると昔よりも数値が良くなっているんです。特に運動をしているわけではないのに体重も適度な水準をキープできているし、昔の同級生に会うと『なんか若返ってない?』と言われたこともあります」

それはきっと、幡生さんが常に家族との時間を心から楽しんでいることも影響しているのではないだろうか。

(写真:幡生さん提供)

パパ友からは「タメ語は無理」

愚問かもしれないと思いつつ、お子さんや周りの方などから年齢のことを指摘されたり、違和感を覚えたことなどはあるか尋ねてみた。すると「ほとんどないですね。ただ、仲の良いパパ友がいるんですけど、その人たちに『パパ友なんだからタメ語でいいよ』と言った時に『いや、幡生さんは僕らの上司と同い年なのでタメ語は使いづらいっす(笑)』と言われた時は、ちょっぴり寂しくなりましたね」と笑った。

幡生さんには、7歳下と12歳下の仲の良いパパ友が2人いるそうだ。長男の保育園のクラスが同じという付き合いで、「3人のグループLINEがあって、しょっちゅう連絡をし合っています。2カ月に1回は土曜の夜などに集まって飲んだりカラオケに行ったり、グルキャン(グループでキャンプをすること)をしたりしますよ。すごく楽しいです」。

ちなみに、幡生さんは学生時代にJUN SKY WALKER(S)のコピーバンドのボーカルをしていたことがありカラオケは大得意。お互いに世代が違っても、好きな歌を歌って盛り上がれる仲間だ。シニアパパの中には「なかなかパパ友を作るまでには至らない」という話も良く耳にする中で、幡生さんは子育てを通じて充実した人間関係を着実に築いている。

「時々、友人からも『お前は人生楽しんでるよな』と羨ましがられます。実際、僕は家族と過ごす時間や空間が自分にとって今一番居心地がいいし、幸せや感動を得られる。それをできる限り長く楽しめればいいなと思っています。むしろ50代だからといって、自分はもう先が短いから、といった悲壮感ある生き方はしたくないですね」

おそらく、その姿は会社でもプライベートでも、下の世代の人たちにとって非常に頼もしいロールモデルとして捉えられているだろう。そして『自分が何をしている時が幸せなのか』を自覚し、それを最大化することに力を尽くすパパの人生哲学は、お子さんたちがこれからを生きるうえでもきっと、大きな道標になってゆくのではないだろうか。

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宇乃 さや香 フリーライター

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うの さやか / Sayaka Uno

1982年北陸生まれ。大学卒業後、分譲マンション管理会社、フリーペーパー出版社、認知症対応型グループホームでの勤務を経験。妊娠・出産を経てフリーライターとして独立。生き方や価値観のアップデート、軽やかに生きるヒントを模索し、取材を続ける。

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