患者の家族が急死、初めての出産、排泄で失敗…こんなときの「いいケア」とは? 医師や看護師と本気の対話を重ねてたどり着いた"本質"
この本質定義に加えて、この時はさらに次のような言葉も加えられました。
「いいケア」の実現のためには、「対等性の志向」「対話的なかかわり」「ケアする人の(結果的・事後的な)貢献感」が必要である。
これら3つは、「いいケア」の実現条件と言うことができるでしょう。本質観取は、物事の本質を洞察することで、「ではどうすればいいか」まで考えを深めていくことができる営みなのです。本質定義を簡潔な言葉にするだけでなく、このようにさらに発見を広げていくのも、本質観取の醍醐味の一つです。
このことについては、あとで本質観取を「書く」「叙述する」ことについてお話しする際にも、少し立ち戻りたいと思います。
「セルフケア」について考える
さて、以上のように本質定義が定まれば、それが(2)で挙げたすべての事例にちゃんと当てはまるかどうか確認していきます。場合によっては、(2)には挙がらなかった例も改めて考えて、さらに吟味してもいいでしょう。
たとえば、(2)のステップでは出てこなかった「セルフケア」について考えてみましょう。
「ケア」は、必ずしも他者に対してだけするものではありません。そんな「セルフケア」の場合にも、もしもそれを「いいケア」と呼べるとするなら、そこに「自覚的・無自覚的な〝この私〞の願いを想像したかかわり」があると言えるでしょうか?
さしあたり、言えそうに思いますが、みなさんはどう思われるでしょうか?
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