地方創生と都市再生はコインの表と裏である。複数拠点を持ち、地方と行き来することが都市住民のためになるワケ

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窪田:今後の展開が期待される「ふるさと住民登録制度」について詳しく教えてください。

高橋:これは都会にいる人が地方に複数の住民票を持てるようにして、各地方の拠点と都市とを並行して生きる社会を作るための制度です。僕は有識者会議立ち上げのときから関わっているのですが、2027年度からいよいよ国の施策として始まる予定です。

「地方の課題解決」ばかりが注目されがちですが、それは「都市の再生」とコインの表裏のようなもの。どちらも大切なことだと僕はいつも言っています。都市と混ざることによって、地方は解決力が上がってマンパワーも手に入る。地方と混ざることによって、都市はこれまで挙げてきたような問題点を変えるヒントが手に入るのです。

制度でとくに後押ししたいのは、都市部の現役世代の移動です。継続して地方と行き来する人たちが増えることは、鉄道・航空・通信会社にとっても価値があります。各地をつなぐのが彼らの仕事ですが、地方が廃れてその必要性がなくなると会社が存続できませんから。

10年で1000万人目指す「ふるさと住民登録制度」

窪田:地方との交流は、都市の人にもメリットが大きいのですね。新制度の期待値や目標はいかほどでしょうか。

高橋:政府が閣議決定した目標は、10年で1000万人の登録者を生むことです。これはなかなかインパクトのある数字ですよね。僕は二地域居住者の先行事例として、国会議員の存在を挙げています。彼らは「金帰火来(きんきからい)」といって金曜に自分の選挙区へ帰り、火曜に永田町に出てきます。交通費は公費なのでタダ。この既得権を一部開放し、特定の地域で貢献する都市住民の交通費を支援してもいいのではないでしょうか。

窪田:すばらしいですね。いい法律や制度を作っても絵に描いた餅になることもありますが、高橋さんが引っ張っていらっしゃるので大きな希望が持てます。これからの動きを楽しみにしています。

高橋:ありがとうございます。制度自体は決定したので、そこに魂を入れるのが自分の役割だと思っています。

(構成:鈴木絢子)

高橋 博之 雨風太陽 代表取締役社長

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たかはし ひろゆき / Hiroyuki Takahashi

1974年、岩手県花巻市生まれ。青山学院大学卒。代議士秘書等を経て、2006年岩手県議会議員に初当選。翌年の選挙では2期連続のトップ当選。震災後、復興の最前線に立つため岩手県知事選に出馬するも次点で落選、政界引退。2013年NPO法人東北開墾を立ち上げて「東北食べる通信」を創刊し、編集長に就任。2015年「雨風太陽」を設立。2023年12月、NPOからスタートした企業として日本初の東京証券取引所グロース市場上場を果たす。2024年11月には、内閣官房 新しい地方経済・生活環境創生本部が開催する「新しい地方経済・生活環境創生会議」の有識者構成員に就任。近著に『関係人口 都市と地方を同時並行で生きる』(光文社新書)がある。

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窪田 良 医師、医学博士、窪田製薬ホールディングスCEO

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くぼた りょう / Ryo Kubota

慶應義塾大学医学部卒業。慶應大医学部客員教授、米NASA HRP研究代表者、米シンクタンクNBR理事などを歴任。虎の門病院勤務を経て米ワシントン大学助教授。2002年創薬ベンチャー・アキュセラを創業。2016年窪田製薬ホールディングスを設立し、本社を日本に移転。アキュセラを完全子会社とし、東証マザーズに再上場。「エミクススタト塩酸塩」においてスターガルト病および糖尿病網膜症への適応を目指し、米FDAからの研究費を獲得し研究開発を進めているほか、在宅医療モニタリングデバイスや、ウェアラブル近視デバイスの研究開発を行っている。

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