「とりあえず資料作って」は禁句。逆に部下の生産性を10倍にするフレーズとは?

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「ここまで細かく指示を考えるなら、部下に説明するより、自分でAIに指示したほうが早いんじゃないか」「目的を考えることも部下の仕事のうちだろう」

そんな疑問を持った人もいるかもしれません。それは一つの正解でもあります。事実として、特にアメリカではコンサルやIT企業のレイオフが進んでいます。目的を自分で決められる人間が、AIに指示した方がずっと速く仕事ができるためです。

しかし、実際にAIを使って仕事をしている方は実感していると思いますが、AIに指示をして仕事をするのは非常に疲れます。AIが作ったものを毎回レビューして、些細な違和感を修正したり、時には指示を大きく変えて作り直すこともあります。

これは脳に大きな負担がかかるプロセスであり、非常に「脳のスタミナ」を消費する仕事です。

だからこそ、上司の代わりにその「脳の負荷」を引き受ける部下が必要なのです

上司から「目的・内容」を指示されたら、AIと共闘して、上司に一発でOKをもらうようなものを作り上げる。上司がレビューしそうなポイントを先回りして理解し、チェックしてもらう前に自分でAIに修正指示を出し、限りなく完成に近づけておく。これが、AI時代の部下の仕事です。

ちょっとAIに指示をして「できました。チェックお願いします」と持ってくるような部下なら、まったく必要ありません。むしろ上司の確認コストが増えるだけなので、それこそ上司が直接AIを使えばいいだけの話です。

AI時代の部下に求めるべきは、こうした「上司の負担を減らす姿勢」なのです。

AIに詳しくなることよりも必要な「目的を決める力」

こうして見てみると、AI時代の上司に求められるのは、決して「AIの機能に詳しいこと」ではないことがわかります。もちろん、最新技術を勉強し理解することは大事です。しかし、若手がAIの操作に詳しいからといって、焦る必要は何もないのです。

経験がなければ、「目的」を決めることはできません。多くの試行錯誤を繰り返し、仕事に必要なものが何なのかを学びつづけ、目的を決めるための「問い」を立てられる力こそが、AI時代に最も必要とされています。

中身は何だよ、何のため

これを部下に指示できる上司こそが、AI時代の組織の生産性を劇的に高め、成果を出し続けられる人材になるのです。

三浦 慶介 株式会社グロースドライバー代表取締役社長

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みうら けいすけ / Keisuke Miura

1983年生まれ。一橋大学法学部卒業。サイバーエージェント、リヴァンプ、グロース上場企業スパイダープラスのCMOを経て2025年に独立。ゲーム・小売・飲食・教育・建設Techなど幅広い業界で事業成長を牽引。会員数150万を超えるヒットゲームの開発、数百万人が利用するCRMアプリの企画・開発、年間数十億円を運用するマーケティングチームの内製化、1年で生産性を160%改善する営業改革など、業種・業界を問わない事業成果を実現。現在は「AI時代の人材育成×事業戦略」を専門に、事業成長の伴走支援と知見の体系化に取り組む。著書に『AI時代に仕事と呼べるもの』(東洋経済新報社)がある。

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