「チクったら殺すぞ」万引き常習犯の中学3年生男子がついに補導!"高校合格"取り消しを恐れ号泣する末路 『子供部屋同盟』5章③

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芥川賞作家✕東洋経済オンラインの「異色コラボ」連載小説!
「子供部屋おじさん」が、あなたの復讐、請け負います。
パワハラ、詐欺、痴漢冤罪(えんざい)、書店万引き――。裁かれぬ現代社会の悪を、人知れず断罪する者たちがいた。ダークウェブに潜む謎の復讐代行組織「子供部屋同盟」。
社会から疎外された「子供部屋おじさん」たちが、その特異なスキルを武器に、歪んだ正義を執行する。
芥川賞作家・高橋弘希が放つ痛快無比の世直しエンタメ『子供部屋同盟』より、第5章を4日に分けて毎日お届けします(今回は3日目)。

書店が潰れても別によくないですか?

──ハロー、ハウロウ、こちらジョン・万次郎。あれ? 42番さんもいるんですか? 三人だとやり取り分かりづらいんで、ちょっと設定変えますね。

子供部屋同盟
『子供部屋同盟』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

万「はい、設定変えました。いったい何用でございましょう?」

弥「思い当たる節があるんじゃないか?」

万「はてさて?」

弥「とぼけるな! おまえ42番の動機を、自分のところで止めていただろう?」

万「うーん、確かに動機ファイルは皆さんに回してませんね」

弥「なんでそんなことをした!」

万「えー、だって書店が潰れても別によくないですか? アマゾンのほうが便利じゃないですか」

弥「ふざけたことをぬかすな! 書店には書店ならではのメリットがある。書店での本との出会いがなければ、今の俺はなかった!」

万「今の俺はなかったって、弥太郎君は無職のこどおじじゃないですか。無職のこどおじは、褒められたもんじゃありませんよ」

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