「二浪はさすがに笑えない」模試E判定でプッツン。深夜に貪るように食べ、硬い床で寝る…メンタル崩壊で《強制勉強システム》作った彼女

✎ 1〜 ✎ 159 ✎ 160 ✎ 161 ✎ 162
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「YouTubeの登録者は1万人に届きそうな勢いなのに、肝心の大学受験は全滅。画面の向こうでは『すごい』と言われているのに、リアルな私は滑り止めゼロ。このギャップが本当に怖かったです。

チャンネル名の通り、『二浪はさすがに笑えない』現実が目の前に迫ってきていて……それでも『2浪だけは回避したい、絶対に東京に行きたい』という執念だけで、残されていた後期試験に望みをかけました。画面の向こうには、国公立の後期試験まで粘り強く頑張る仲間や、私と同じように崖っぷちで戦っている視聴者がたくさんいました。1人なら心が折れていたかもしれませんが、『まだ戦っている仲間がいる』という感覚が、ボロボロの私の背中を押してくれたのだと思います」

そしてようやく彼女はここで、後期で受験した都内私立大学の情報系の学部に合格します。

「『全落ちしなくてよかった』という安堵感が一番強かったです。YouTubeで顔出ししていたので通う大学については公表していませんが、上京して自由に興味のある分野を学ぶ切符を手に入れられたことはとても嬉しかったです」

未知の領域に対する感度が研ぎ澄まされた

こうして1浪で、後期試験で合格した大学に進学したトッツォさん。浪人をしてよかったことを聞くと、「自分の小ささを知れたこと」、頑張れた理由については、「むしろ浪人時は頑張れなかったという思いの方が強い」と返してくれました。

「それまでは学校内の順位だけが基準でしたが、一度レールを外れたことで『井の中の蛙』だったと痛感しました。でも、そこから周囲の価値観に縛られない自由さを手に入れ、実社会への関心が急速に高まりました。小論文対策を通じてビジネスや社会課題に触れたことで、『わからないことを、わからないまま放置しておくこと』への猛烈な違和感というか、むずがゆさを覚えるようになったんです。

むしろ、自分がこれまで関心を持てなかった分野こそが、『なぜ知ろうとしなかったのか』と逆に興味深く思えるようになりました。単なる受験勉強を超えて、未知の領域に対する感度が研ぎ澄まされたこと。この視座の変化が、最大の財産だと思っています」

次ページトッツォさんの現在地
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事