「8月までは人並み以上には量をこなしていた自負があったんです。でも、模試の結果を見た瞬間、プツンと何かが切れる音がしました。そこからはもう、机に向かうことすら怖くなってしまって。
9月、10月はまったく勉強できず自室に引きこもっていました。少しでも英語に触れようとアプリや英字新聞を眺めたりはしましたが、身が入ることはなく、日中はただ時間を浪費するだけ。
両親が寝静まった深夜、ひっそりリビングに降りて食料を貪るように食べていました。また、ベッドで寝ると深く眠り過ぎてしまう気がして、受験が終わるまではずっと机の前の硬い床の上で寝ていました。
浪人生活を通して学力が伸びている実感がなく、初めて『虚しさ』を感じたのを覚えています。11月にはカフェで勉強するようになったのですが、金銭的な負担が大きく、家で勉強しなければならないと思いました」
監視カメラの代わりにYouTubeで生配信
とうとう追い詰められたトッツォさん。意志の力ではもうどうにもできないと悟り、『自分を強制的に勉強させるシステム』を作るしかないと思いました。
そこで思いついたのが、監視カメラの代わりにYouTubeで生配信すること。12月にYouTubeチャンネル「二浪はさすがに笑えない」を始め、ウォークインクローゼットの中から自身の勉強の様子を配信することにしました。
「誰かに見られているという適度な緊張感があれば、カッコ悪くてサボれないじゃないですか。YouTuberになりたかったわけじゃなくて、弱い自分が勉強から逃げないための『生存戦略』として、カメラを回し始めました」
共通テストの1週間前には登録者が1000人を迎えたチャンネルは、受験シーズンになってから勢いづきます。
しかし、出願した慶應義塾大学の環境情報学部と総合政策学部は不合格。併願で出した明治大学と東京理科大学も落ち、調子のいいYouTubeとは裏腹に、本人はまさに「笑えない」2浪寸前の状態まで追い詰められました。



















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