コロナでも、インフルでも、肺がんでもない…若い人の「急な息苦しさ」に潜む怖い病気の正体――「肩や背中が痛い」「深呼吸で痛む」は要注意

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「ダイビングは気圧の急激な変化が肺に大きな負荷をかけるため、極めて危険。気胸の既往歴のある人は控えてほしい」(坪島医師)

喫煙はいわずもがな、だ。

なるべく避けたいものとしては、「飛行機の搭乗」や登山などの「高地への移動」など。気圧が低くなる環境全般に注意が必要となる。

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「海外旅行はお勧めしません。フライト中に再発すると重症化しやすいうえ、もし、海外で再発した場合、日本とは異なり、安易に肺と胸膜を癒着させる方法で治療されてしまう場合があります。そうした治療を受けると、再手術や別の胸の病気になった場合に治療がしにくくなるのです」(坪島医師)

海外旅行については、「一生行けないのか」という不満もあるだろう。発症年齢が若いぶん、卒業旅行や新婚旅行といったイベントだってあるかもしれない。そういうときこそ自己判断をせず、まずは主治医に相談することが大切だ。

若いからといって過信しないことが大切

最後に、若い世代に向けて坪島医師からメッセージをもらった。

「『息苦しさ』は体からの大切なサイン。もし、異変を感じたら、若いからと過信せず、早めに呼吸器内科や呼吸器外科を受診しましょう。『もしかして気胸かな』と思ったら、できれば、気胸治療の専門施設や専門外来があるところに受診してください」(坪島医師)

(取材・文/ライター・石川美香子)

玉川病院気胸研究センター長・呼吸器外科部長
坪島 顕司医師
呼吸器外科医として高砂市民病院などで肺がん・気胸手術に従事し、気胸センターの立ち上げ・運営も経験。2019年より公益財団法人日産厚生会玉川病院気胸研究センター勤務。2025年4月、同センター長・呼吸器外科部長に就任。原発性自然気胸や女性気胸に関する研究・手術成績を多数発表し、単孔式胸腔鏡手術など低侵襲治療にも注力している。日本外科学会専門医・指導医、日本呼吸器外科学会専門医・評議員、日本気胸・嚢胞性肺疾患学会理事。
東洋経済オンライン医療取材チーム

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とうようけいざいおんらいんいりょうちーむ / TKO Iryou-Team

医療に詳しい記者やライターで構成。「病気」や「症状」に特化した記事を提供していきます(写真:Natali_Mis/PIXTA)。

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